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ESLの子どもたち:1月はテストの季節

今日は金曜日。やっと1週間が終わりました。
本当に疲れた・・・。
なぜなら、今週はイレギュラーなスケジュールの週でした。

アメリカの全州ではありませんが、多くの州のESLのある学校で採用されているACCESSテスト(アクセス・テスト)。これはAssessing Comprehension and Communication in English State to State. for English Language Learners (ACCESS for ELLs™)の略で、日本語にすると「英語学習者の理解力とコミュニケーション能力の評価」といったところでしょうか。Kから3年生のWritingを除き、ほとんどの科目はオンラインで行われます。

これは1月の頭から2月の頭くらいまで(場所によってやや期間は異なりますが)実施されるテストです。
試験は、Listening, Reading, Speaking, Writingの4科目です。
K(キンダー)から12年生(高校最終学年)を対象に実施され、レベルが5段階、レベル1(ビギナー)からレベル5(ESL卒業)で評価されます。

こうさらっと書くと、なるほどTOEFLみたいな試験のようだなー、とだけ感じるかと思いますが、ESLの子どもには大変負担が重い試験です。ついでに先生にも負担が多いです。
ESLの先生同士で1月に顔を合わせると、ACCESSテストの愚痴が出るわ出るわ。

負担が重い理由その1:長丁場
ACCESSテストは、1科目につき、だいたい25〜30問くらいあります(Writingだけは大問が3問から4問)。
さて、小学1年生とか2年生の、まだ英語があまり得意でない子を想像してください。この小さい人たちが1問につき、数センテンスある英語の文✖️30問をじーっと座ってリスニングする(あるいはリーディング、スピーキング)ところを想像してご覧なさい。
「つかれたー」「トイレ行きたい」「お腹すいた」「シクシク(泣いちゃう)」
そうだよね。
そりゃそうさ、かわいそうに。
最初の半分くらいは集中できても、残りはみんなぼやーっとしてしまう。

負担が重い理由その2:何日にも分けて実施する
あまりに1科目が長いテストなので、1日では終わりません。そして疲れるので、だいたい1日に1科目、多くて2科目できるくらいです。
なので何日かに分けてやります。そして、それが複数学年にわたります。その試験監督は主にESLの先生たちの仕事です。
そうしますと、テスト期間中、ESLの先生は試験監督に何日も追われるわけですから、その間の通常のESLの授業はお休みになります。長いところだと4週間近く授業がストップするわけですから、その間ESLの子ども達は通常のクラスに参加します。通常のクラスを受けることで伸びる子も、まあ、いるにはいますが、初級から中級レベルの子は、ほとんどクラスでぼーっと座っているだけ、という状態になるわけです。
試験をすることが、英語のクラスの邪魔になる。
われわれは、一体何やってるんだろう?というのが、全ESLの先生の心の叫びです。

負担が重い理由その3:結果が出るのが遅い
こんなに頑張ってやった試験なのですが、結果が出るのが半年後です。
SpeakingとWritingの採点に時間がかかるようなのですね。
半年あったら、特に小さい子どもたちの英語のレベルは、変わります。
せっかく出た結果は、ESLの先生からすると、「えーなんで?」のオンパレードです(だいたい、先生が見積もっていたより低く点数が出る。先生たちは大変悔しい「あの子はこんなレベルじゃない!」と)。

だれか、このACCESSテストをやめようと言ってくれないだろうか。

自由で楽しいを掲げるはずのアメリカの学校、このテストは何か違う勢力の思惑で実施されているとしか思えないね、と仲間の先生と話した本日でした。

ESLの子どもたち、がんばれ、あともう少し!






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