中華201810

勉強会記録:「香り」のおいしさ

度々参加させていただいている中野「墨花居」さん主催の中華勉強会。今回のテーマは「香り」でした。香りの引き出し方でどれほどおいしさが変わるのか、一言炒めると言ってもそのさじ加減で全く違う料理になる面白さを教えて頂きました。

1、唐辛子を炒める:辣子鶏

まずは唐辛子。1皿は唐辛子の赤をそのままに、鶏肉と炒め合わせたもの。もう一方は唐辛子を焦げる手前の赤黒くなるまでしっかりと炒めてから同様に仕上げ。味つけは同じでも2つの差は歴然。

しっかり攻めた唐辛子は香ばしく、辛味の効き方も違います。ここでのポイントは唐辛子が焦げやすいので弱火でじっくりと香りを引き出すことでした。

2、葱を炒める:葱烤炸豆腐

続いては。料理名にもあるように””ではなく””と表現される炒め方。どう違うかというと、先ほどの唐辛子よりもさらに炒めるイメージ。少し焦げ付くぐらいまでが目安とのことでした。

過程を見ている限り、これはちょっとやりすぎでは?と思ってしまうほどでした。ですが、そこまで攻めることでネギ油のようないい香りが立ってきます。見た目からもわかるかもしれませんが、比較すると全く違う料理に感じるほどでした。

3、調味料を炒める:鶏(唐揚げ)の爆炒め

3つ目は調味料の炒め方。中華料理ではよく具材を炒める前に調味料を鍋に合わせることが多いと思いますが、その炒め加減についてです。油をなじませた中華鍋からしっかりと煙があがるくらいまでよく熱し、調味料を合わせていきます。今回は辣油カスの唐辛子粉とおろし生姜、たまり醤油、酒、上白糖、刻んだパクチーとネギを一気に炒め合わせました。

見た目の差はさほどありませんが、香りの香ばしさ、食感も異なります。この料理は唐揚げのリメイクにとても良さそうでした。

4、香辛料を炒める:酸辣湯

4つ目は胡椒。これは個人的にとても意外でした。スープを作る際、まずはじめに胡椒を炒め、そこにスープを注いで調味していきます。北京では一般的な作り方とのことですが、胡椒は最後にかけるものというイメージが強かったので新鮮でした。後掛けに比べて胡椒の辛味が際立つ気がします。胡椒単体の香りとしては食べる直前にかける方が引き立つと思いますが、先に入れることによって胡椒の違ったおいしさを味わうことができました。

今回4種類の題材から炒めることの違いを勉強させていただきましたが総じてどこまで攻められるかがポイントかなと思いました。焦げる一歩手前のおいしいラインを見つけられればいつもの料理が少しバージョンアップできそうです。

おいしいはしあわせ。 毎日のごはんをもっとおいしくもっと楽しく。