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“Java チャンピオン”がOisix ra daichiの技術顧問に就任。 世界を知る男が目指す開発のあるべきビジョンとは?

“Java チャンピオン”が、Oisix ra daichiの技術顧問に就任することになりました。

その人の名前は、寺田 佳央さん

現在、世界で約 200 名強しかいないJava チャンピオンという称号を、日本人で2人目に手にした人物です。

Javaチャンピオンになるためには、世界のチャンピオンたちからの賛同が求められるので、グローバルに名前が知られる活動をしている必要があります。日本での影響力がどれだけ大きくても、それだけではなれないのです。

英語での情報発信はもちろん、海外のトップクラスのエンジニアたちと英語でセッションができ、エンジニアとしてグローバルレベルの高い知見を持っていることの証がJavaチャンピオンです。

そんな世界の実情を知る寺田さんは、日本企業におけるシステム開発やエンジニアチームの在り方は、海外企業と比べると明らかに遅れをとっており、日本の現状を変えたいという強い想いがあります。

そのひとつの手段として、Oisix ra daichiの開発の在り方をグローバルレベルに進化させることで、日本企業全体の開発のあり方を変えるきっかけを創り出していきたいと、寺田さんは言います。

果たして、どのようなビジョンを持っているのでしょうか。寺田さんが考えるあるべき開発の在り方について話を聞いてみました。

【寺田 佳央(てらだ・よしお)さん】Javaエバンジェリスト。Javaの最新技術情報の提供やJavaコミュニティ活動の活性化を日本Javaユーザ・グループ(JJUG)と共に行ってきた。現在、マイクロソフト・プラットフォームにおけるJavaの利用促進・啓蒙活動を実施中。2016年には日本人で2人目となるJava Championに就任、海外のJava ChampionやJUGリーダとも多数交流。JJUG幹事メンバー。

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Oisix ra daichiと寺田さんの出会いとは?

ーー まず、寺田さんとOisix ra daichiの出会いから聞かせてもらえますか?

寺田さん:2018年のDevelopers Summitにて「Kubernetesでのマイクロサービス開発」というテーマで僕が登壇していたのを、Oisix ra daichiのメンバーが聞きに来てくれたのがはじまりです。

その前からOisix ra daichiでは社内のITシステムのマイクロサービスへのシフトを本格的に検討していたようです。その後、KubernetesやAzureについて詳しく話を聞きたいと相談をもらい、面談する機会を持ちました。

その際、Azureの導入を検討いただくにあたり、Oisix ra daichiのマイクロサービス化に必要な機能やアーキテクチャ設計を議論し、 POC(Proof of Concept:概念実証)まで行う 5日間の無償のプログラムを提案させてもらいました。そこからの深いつきあいですね。

ーー Oisix ra daichiのメンバーからは、"Java の神" とも呼ばれる寺田さんがプログラムに参加していただき、自分たちと一緒に "Oisix ra daichi目線" で最適な構成を考えていただけたのがAzureの導入において最も決め手になったと聞いています。

寺田さん:そう言っていただけるとありがたいです。そこから約一年間、Oisix ra daichiの皆さんとは継続的にコミュニケーションをとり、マイクロサービス化の取り組みを支援してきました。

また、日本でマイクロサービスを普及させたい僕としては、マイクロサービス化によって得られた知見をOisix ra daichiのメンバーの皆さんが積極的にイベントで講演してくれる姿は、見ていて嬉しく思いました。

▼JJUG CCC 2018 Fallに登壇した際の、Oisix ra daichi システム本部 シニアアーキテクトの小林 弘明さんのスライド資料

▼de:code 2019に登壇した際の、Oisix ra daichi システム本部 シニアエンジニアリングマネージャーの長尾 優毅さんのスライド資料

開発の在り方をグローバルレベルに引き上げる

ーー 過去約1年間にわたって、Oisix ra daichiのマイクロサービス化の歩みを支援いただいている寺田さんが、この度、Oisix ra daichiの技術顧問に就任いただきました。技術顧問を引き受けた理由について、お話いただけますか?

寺田さん:まず、Oisix ra daichiの皆さんのマイクロサービス化への取り組みをご一緒するなかで、マイクロサービス化に止まらず、Oisix ra daichiの開発の在り方全体をより良い状態にするためにお役に立ちたいと思いました。

また、実際にOisixのサービスを昨年から利用させてもらっているのですが、サービスやプロダクトも素晴らしく、このサービスをもっと進化させていきたいという想いも強くなってきたんです。

▲ Oisix ra daichiのエンジニアたちと議論をする寺田さん

寺田さん:ユーザーとしてOisixのサービスを理解したいと思い、利用を始めたのですが、今では私の家では欠かせなくなっています。今では妻から「これを買いたい」という注文がすごく多い(笑)。ちなみに、我が家では「ほうれん草入りぎょうざ」が人気です。

ーー 寺田さんから見て、現在のOisix ra daichiの開発の在り方は、どのように映っていますか?

寺田さん:日本の企業の中では、Oisix ra daichiのシステム開発は他の企業と比べて頭ひとつ抜け出していこうとしているように感じます。マイクロサービス化に本格的に取り組む企業自体がまだ少ないですから。

実際に、Oisix ra daichiの取り組みの話を見聞きし、詳しい話を聞きたいという企業からの問い合わせをいただくことも増えてきています。

ただ、グローバル視点で考えると、Oisix ra daichiの開発の在り方は、まだまだ向上できる余地が多くあると感じているのも事実です。

海外には、現在のOisix ra daichiのエンジニアの皆さんが苦労していることを乗り越えた企業が結構な数で存在します。グローバルでサービスを展開する彼らは、一巡先を進んでいるんです。

そういった海外企業のノウハウが、Oisix ra daichiのビジネスに全てフィットするわけではないでしょうが、応用できるものはどんどん組み込んでいきたい。そして、Oisix ra daichiの開発の在り方をグローバルレベルにまで引き上げていきたいです。

そして、Oisix ra daichiが抱えている課題は、日本企業のほとんどが同じような課題を持っています。Oisix ra daichiのこれからの取り組みは、きっと日本全国のエンジニアにとって有益なものとなるはずです。ここで得られた知見を共有し、日本企業の開発の在り方を発展させることに貢献できたらとも考えています。

お客様に本当に望まれるサービスを届けるために

ーー グローバルレベルの開発の在り方というのは、具体的には、どんな状態なのでしょうか?

寺田さん:例えば、わかりやすいところでいうと、まずはエンジニアの働き方を変えていきたいです。

従来のシステム開発のやり方だと、新しい機能をシステムに追加する際は、ユーザーのサービス利用が少なくなる真夜中に作業をすることが多々あります。これだと、体にも負担がかかるし、家族にも負担をかけてしまう。でも、エンジニアとはそういうものだと割り切って、みんな辛い思いをしながらも作業していたと思うんですね。

でも、マイクロサービスやモダンなアプリケーション開発スタイルを推進していくと、日中にシステムの入れ替えができるようになります。それまでのシステムは動いたままで、新しいバージョンを立ち上げ、両方とも本番環境にあげた状況で、徐々に新しい方へ移行することができる。もしトラブルがあっても日中の間に対応ができるので、ミスも防げます。

ーー なるほど。エンジニアというと深夜作業のイメージがあったのですが、そのイメージを払拭することができるんですね。

寺田さん:そうなんです。世界のエンジニアも嫌だったんですよ、そういう働き方が。だから、どうすれば自分たちが働きやすくなるのかを考えた結果、海外ではこのやり方が普及しているんです。

また、マイクロサービス化を進めると、新機能を実装のスピードが段違いに高まったり、機能を拡張するときの手間が圧倒的に楽になります。それにより、次々と新しい機能を試すことができるようになるんです。

これからの時代は、不確実性が高い時代と言われているように、どんなサービスがお客様にとって正解かわからないじゃないですか。経営陣からトップダウンで降りてきた新機能も、お客様に提供してみないと、それが本当に正しいかどうかわかりません。

そんな時代において、新しい機能が試しやすい基盤が整っていると、アイデアが浮かんだら、ライトなサービスを試しに作ってみて、お客様の反応を見ながら、意思決定のスピードを高めることができる環境を持つことができるんです。

単純にITのシステム基盤を整えるだけでなく、お客様が望むサービスを提供できる体制を構築する。これが、僕はマイクロサービス化の一番の醍醐味だと思います。

そして、エンジニアはお客様の反応というフィードバックを社内に戻し、Oisix ra daichiのサービスの在り方について、自分の意見を積極的に発信していくべきだと思います。

「to DO」だけでなく、「to BE」まで考えて動く

ーー 寺田さんの話を聞いていると、Oisix ra daichiのエンジニアチームの風土についても影響を与えていきたいという思いを強く感じますね。

寺田さん:そうですね。結局、良いものを作るためには、良い組織でないと作れないんですよ。そして、良い組織とは、個々の社員のモチベーションが高い組織なんですね。

Oisix ra daichiのサービスを進化させていくことを考えたときに、エンジニアも積極的にアイデアを出すべきだし、企画やデザイナーの皆さんと一緒になって本当にいいサービスを作っていきたい。

『ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント』で有名な、米国で最も幸せな職場と言われるメンロー・イノベーションズ社を、僕はすごく参考にしていて、この企業は上も下もないんですよ。

「エンジニアの自分たちが次の時代のOisix ra daichiを作っていくんだ」という想いを、それぞれのメンバーが秘めているチームをつくることに貢献できたらと考えています。

ーー そういうチームになるためには、何が大切になると思われますか?

寺田さん:そのためには、与えられた「to DO」だけこなしていてはダメだと思います。

今与えられている課題は何なのか?それをどうやって実現するのか?もちろん、こういった目の前の「to DO」を解決するのは大切です。でも、それだけ考えていても、大きな成長は望めません。

Oisix ra daichiのサービスはどうあるべきなのかという「to BE」まで考えることが大切なのだと思います。

理想の状態になるために、どういったものが必要なのかを考えて、そこを目標に全員で真剣に話し合う。エンジニアだからといって「to DO」だけやるのと、理想の「to BE」を頭に置いたうえで日々の行動を変えていくのでは、成長カーブの曲線が全く変わってくると思います。

ここには大きな成長のチャンスが眠っている

ーー 最後に、これからOisix ra daichiに加わろうと思っている方に対してメッセージをお願いできますか?

寺田さん:単純にエンジニアとしての成長を考えると、Oisix ra daichiには大きな成長のチャンスがあると思います。

まだマイクロサービス化に取り掛かりはじめたばかりなので、やるべきことが沢山ありますし。現状は、やり方を模索しながら一歩一歩進めていっている状態です。そういった環境に飛び込むことは、マイクロサービスの知見や経験を積むには絶好の環境になるのではないでしょうか。

また、他の企業でマイクロサービス化に取り組んでいる方であれば、持っているノウハウを活かして、更なる知見を積む場になると思います。

システムのモダナイズは、これから日本の多くの企業が取り組むべき課題になってくるはずです。Oisix ra daichiで培った経験は、エンジニアのキャリアして絶対に重宝されるだろうと考えています。

また、Oisix ra daichiの良いところは、積極的にイベント登壇や情報発信活動を応援してくれることです。実際に、マイクロサービス化に携わっているメンバーが次々とイベントに登壇したり、メディアに登場しています。

エンジニアとして、技術だけでなく、働き方・考え方も含め、自分を高めていきたいという人に、Oisix ra daichiのエンジニアチームに加わってくれたら嬉しく思います。

Text & Photo:井手桂司

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