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To Curry Favor with Someoneってどんな意味?

外国語を勉強していると、時として意表を衝かれる表現に出会うことがあります。つい最近も私はto curry favor with someoneという変わった言い回しを学ぶ機会がありました。

世界最大の英語辞典といわれるOED (The Oxford English Dictionary)の編集者たちも、このイディオムの成り立ちに注目しています。

OEDの編集者によると、favorは元々Favelであり、中世フランスではFavelという狡猾な栗毛の馬が物語の中で登場していました。また、curryとは食べ物のカレーではなく、「毛繕いする、なでる」という意味です。

したがって、to curry Favelとは「ファヴェルを懐柔する」という意味になります。

時代が経つにつれて意味が変化し、「欺瞞的に振る舞う」になっていきました。また、ファヴェルが登場する物語を忘れてしまった後世の人々にとっては、FavelよりもFavorを使う方が合理的であると考えられたのです。

誤解が繰り返されていくうちに、誤用の方がより一般化していき、今の形になったということです。

ということで、現在では「誰かに取り入る、おべっかを使う」という意味で使われています。

2016年秋、トランプ前大統領がヒラリー・クリントン氏に大統領選で勝利した直後、CNNがこのようなニュースを流しています。

アメリカに駐在する外交官の多くは当時、ヒラリー氏が最終的に当選すると見ていましたが、予想外の選挙結果が出てきたので、トランプ氏に取り入ろうとして列をなしてトランプ参りをしようとしているというのです。そのニュースのタイトルが「Are diplomats lining up at Trump Hotel to curry favor? 」。

日常的に使われる表現ではありませんが、知っておくとおそらくネイティブスピーカーから喜ばれること必至です!

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