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応援でコロナ禍に決着して、戻ってきたのは

夏の甲子園は慶應高校の107年ぶりの優勝で幕を閉じた。決勝戦、アルプススタンドから発せられる応援歌は、3塁側の内野、外野スタンドを巻き込んだ。となりの見知らぬ人と肩を組み、左右に揺らしながら歌う。長かったコロナ禍に決着をつけるかのように。

夏休みの新幹線、飛行機は満席状態。ヒトが動けば感染がぶり返すかもしれない。そんなリスクはどこへやら、マスクなしの人が増えた。

中国政府は、8月10日に日本への団体旅行を解禁した。それを受けて23日夜、北京から羽田に18人ツアー客が到着した。4泊5日で東京や鎌倉、富士山を巡る予定だという。10月には国慶節の休暇がある。インバウンド再来が本格化しそうだ。期待する業界も多いだろう。

でもねえ。

9月に叔父の法事をすると親戚から連絡があった。ちょうどいい、帰りに名古屋に泊まって、久しぶりに友人に会おうと予定を組んだ。ネットでホテルを調べて目を疑った。宿泊代に手が出ないのだ。

いつもだと、5-6千円で泊まれるビジネスホテルが、1万5千円から2万円の値がついている。会社の仕事だったら、予算オーバーでも差額申請すればなんとかなる場合もある。でも自腹じゃ、持っていく先がない。

名古屋はあきらめて、途中の米原、彦根だと7千円から8千円だった。仕方ない。はやく予約しないと、さらに値上がりするかもしれない。

ホテルや旅行の料金が固定じゃなくなって久しい。コロナ禍ではマイナスに変動した。GOTOトラベルというのもあったし、地方クーポンもあった。それが今や様変わりだ。旅行業界の人にとっては久々のチャンスだろうが。

甲子園の応援でコロナ禍に決着をつけたかのように、旅行の制限もどこかに飛んで行った。帰ってきたのは、変動料金の上振れだ。