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首さがしのシナリオフック(22/04/05)

本日の日記、朝から晩まで働いた。
今日は『日本現代怪異事典』より「首さがし」のTRPGシナリオフックを考えていく。


首さがしとは

「首さがし」
ある踏切に現れるという怪異。とても足の速い短距離走の生徒がいたが、学校のすぐ側にあるローカル線の踏切で電車にひかれて死んでしまう。その時に切断された首がどこかに飛んでしまい、結局見つかることは無かった。それ以降、その現場では首なしの幽霊が首を探して彷徨っているという。

『日本現代怪異事典』

導入

「私の首を探してください。」そのような奇妙な手紙を受け取る探索者。イタズラとして手紙を捨てても、毎日のように投書される。手紙には必ず写真が同封されており、卒業アルバ厶の切り取りだった。名前は川崎純というらしい。
悪質な嫌がらせだと感じたのか、はたまた本当に首を探している依頼だと感じたのかは自由だが、探索者はこの川崎純について調べ始める。どうやら、彼女は7年前に行方不明になっており今も未解決のままのようだ。
少ない手がかりから調査をスタートさせる。

探索パート

調査出来る場所は①図書館②川崎純の学校③最後の目撃場所
過去の資料や、関係者の話を聞くと、川崎純の失踪には不審な点が見られる。
第一に、彼女は失踪の直前まで友人と過ごしており、その様子が駅の監視カメラにも残っていたらしい。その電車で移動した旅行先で失踪している。第二に、彼女の両親は法的に可能になる7年目の早々に失踪宣告を行っているため、すでに死亡扱いになっている。家族が失踪中の娘を待ってたかのように死亡手続きするのは、おかしいのではないか、と胡散臭いオカルト雑誌が言及しているのを見るだろう。
調査を続けると、川崎純と仲が良かった男女4人の名前が共通で浮かび上がる。失踪直前まで一緒に過ごしていたのも彼らだ。皆、この街で実業家であったり、役員など、様々な分野で大成しており豪邸に住んでいる。彼らに話を聞こうとしても、皆探索者を邪険に扱い取り合ってくれない。しかし川崎純の名前を出した時の明らかな動揺は、何かを知っていると物語っていた。

結末

川崎純は生きていた。正確には、7年前に死に神話生物によって蘇った。
7年前旅行先で、自殺にみせかけて電車の迫る線路に突き飛ばされて殺されている。急ブレーキも虚しく、彼女の体は電車に激突し鈍い音が鳴り響いた。しかし、急停車した電車の下からは、何も見つからなかった。
川崎純の強い怨念が偶然神話生物を呼び寄せ、その肉体を依り代に、復讐のために蘇ったのだ。しかし、彼女は電車に潰されて顔が無かった。彼女は死を認められることで完全体になれるという縛りがあった。そのため、7年間という人間社会の縛りを待っていた。娘を失い半狂乱の両親の精神を簡単に操作し、彼女はずっと、自宅で顔の無い状態のまま生き続けていた。
そして今、自分の首に相応しい人間を探してくれる協力者に手紙を送り始めた。その協力者はどのような基準で選ばれているかは分からない。しかし、事の真相を突き止めて、自らを見つけてくれるような探索者こそ、彼女の新たな首とて相応しいのかもしれない。


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