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論文対策:監査

※ご利用にあたり、まずは「論文対策:総論」(https://note.com/ojn/n/n9b214da5024e
のnoteをご一読お願いいたします。

0.はじめに

こんにちは、おじゅんです。

ついに論文対策noteへと着手する運びとなりました。論文式試験が終わったのかと思うと、少し感慨深くなります。

記念すべき1教科目はみんな大好き(笑)監査論。論文期に悩まされる受験生が最も多いとも言われるこの教科。ただ、対策に一定の限界が存在するため取るべき手段は比較的明瞭で、そこまで身構える必要はありません。


このnoteでは、論文監査攻略のために必要な知識、技能について考察した上で、具体的な対策を解説していきます。

冒頭にもある通り「論文対策:総論」を読んでいる前提で話を進めるため、必ずご一読ください。


1.監査論について

さて、論文対策noteにおいても短答対策と同様、試験の実施順に執筆します。というわけで、初日の午前に行われる監査論(以下、「監査」という。)から始めていきます。

論文式本試験で良いスタートダッシュを切るためには1教科目の出来がかなり重要。しかし、監査は難易度が安定しておらず、明確な対策方法も確立している状況ではないことから、多くの受験生に苦手意識を植え付けている教科です。

かと言って、無策で突破することは賢明ではないです。まずは教科の概要を把握することから。

監査は、各50点×大問2つの計100点満点。論文の満点700点のうち7分の1を占めます。とは言え、論文は偏差値での勝負であるため、満点はさほど重要ではありません。

特に監査については平均点が低くなる傾向にあります。短答式試験のように高得点を目指す感覚で論文式試験に臨むと、難しさに面食らうこと間違いなしでしょう。


まずは、第1問から。

令和4年 論文式本試験 第1問(一部抜粋)

第1問は理論問題とも呼ばれ、典型的な論証吐き出し型、少しひねられた問題、基準集参照型など多様な出題がありますが、事例問題が比較的少ない傾向にあります。

私が解いた令和5年本試験は第1問が理論のみという従来の出題形式でした。令和3年のように第1問でも事例問題が出題された年も存在しますが、事例が絡むといってもごくわずかで、基本的な監査の考え方を問われる出題が多いです。


ところで、多くの受験生にとって悩みどころとなるのは、いわゆる「典型吐き出し」の問題をどの程度対策していくかになります。

典型論証の問題は年によっては全く出題されないこともあり、監査の覚えるべき典型論証は改訂前文をはじめとして大量にあるため、報われない可能性をもってどの程度の熱量で暗記の対策をしていくかは大きな問題になります。

令和4年度ではいわゆる典型論証は1〜2個程度、それに対し令和5年度については4〜5個程度ありました。つまり、努力が報われやすい試験だったわけですね。


どのような傾向にしろ、監査は論証吐き出し部分以外の対策が全受験生にとって困難を極め、結局のところほとんどの受験生が暗記すべき論証のみを覚えた状態で本試験に臨むことになります。

短答式試験よりも分かりやすく相対試験の性質を持つ論文式試験の性質上、他の受験生が覚えている論証を疎かにすることは大きなリスクです。つまり、他の受験生が覚えるレベルの精度の暗記は本試験の傾向にかかわらず必要です。

したがって、第1問の対策としては、まず最低限(といってもこの量は馬鹿にならない程の多さ)を覚えた上で、現場対応や法令基準集を参照できる問題に対してアプローチすることになります。


続いて、第2問。

令和4年 論文式本試験 第2問(一部抜粋)

ほぼ全ての年度で事例問題が出題されていますが、得意不得意が人によって明確に分かれます。出題論点の傾向は安定しているものの、難易度は年度によって大きなバラつきがあります

令和4年論文式試験ではかなり難易度が高い出題がなされ、多くの受験生を阿鼻叫喚させました。一方、令和5年試験はうって変わって標準的な難易度となり、監査の勉強における努力が実を結びやすい回でした。


事例問題にこれという1つの正解は存在しません。書いてある事象をいかに解答に組み込むかその事象をいかに一般化して自分の知識ないし監基報の記述と照合するかという技術さえあれば、どのように出題されても理論的には解答が可能です。

事例対策には様々な能力が必要とされるため悩む人は多いですが、苦手な人が多いのであれば、普遍的な対策で十分ということ。このような特徴を踏まえてお話ししていきます。

それでは、具体的な対策方法を考えていきましょう。よろしくお願いします!


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