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言いたいことが言えなくて

今回はコミュニケーションについてです。
ベテランになっても上手に想いを伝えられない人は多いようですね。

もくじ
1 一見コミュニケーション上手でも
2 アサーション
3 過去と相手は変えられないから

1 一見コミュニケーション上手でも

コミュニケーションが上手じゃない人がいます。
何をもって上手じゃないかと言うと、私の場合、相手と同じリズムで会話できるかどうかと言うことに着目する事が多いです。

これは新人でも中堅でもベテランでも同じことに思います。
もっと言うなら、相手の声のトーンや声量、そしてリズムの三拍子に似たような感じで表現できると、聞いていてとても心地よい感じになります。

加藤聖龍 著 手にとるようにNLPがわかる本 かんき出版 2013年

この本によると、良好なコミュニケーションのためには「似ている相手や近いと感じる相手に親近感を覚えてラポールを築きやすくなる」と述べています。

さらに、それには以下の点を推奨しています。

ペーシング;相手に合わせること・会話する相手の特徴を捉え自然に合わせる。子供に対応するときなどは良い例。

ミラーリング;相手のしぐさや姿勢をマネてしまうこと。しかしあまり露骨にやると不信がられてしまうので要注意。

一見コミュニケーションが上手だとか、何も悩みを感じていない人でも、よく考えてみて、ペーシングやミラーリングまで意識してコミュニケーションを取っている人はあまりいないように感じます。

対患者さまにはある程度しているかな〜と感じても、対スタッフ、対他職種ではどうでしょうか?

また、コミュニケーション上手で、上司に上手に報告してくれる人もいますが、よ〜く話聞いてみると、問題となる当人同士でコミュニケーションをとることが出来ず、上司に頼っているケースもあります。

いわゆるアサーティブになれていない状況ですね。


2 アサーション

アサーションってなんでしょうか?
経験を積んだ職員でも、この言葉知らない人が多いようです。

西川 菜月 吉岡 和子 大学生に対するアサーションに関する授業の教育効果の検討 -コミュニケーション場面における安心感・信頼感に注目して- 福岡県立大学心理臨床研究 , 11 巻 , 15-32, 2019, 

この論文によれば、
アサーション(Assertion)とは、

「自分の気持ちや考え、信念などを正直に、率直に、その 場にふさわしい方法で表現し、相手が同じように発言することを奨励すること」(平木 ,2009)と定義され、

「自分も相手も大切にした自他尊重のコミュニケーシ ョン」を示している。

一般に、私たちのコミュニケーションのタイプは、

非主張的(Non-assertive)、攻撃 的(Aggressive)、アサーティブ(Assertive)

の 3 種類に分類されている。アサーティブな自己表現は、「自分を大切にする」という側面から自己信頼感や自己受容など自己に対する肯定的な意識との関連がいわれている(平木 ,2009; 沢崎 ,2006)。
と紹介しています(上記に引用されている文献はここでは示さない)。

つまり、1の項で示しましたように、一見コミュニケーション上手なひとでも、自他尊重のコミュニケーションが出来る人は中々いないのではないかと思います。

きちんと出来ていれば、リーダーや先輩への「告げ口?」に似た報告をせずに、自分自身で問題に挑戦し、自他尊重のコミュニケーションで問題を解決できるのではないかと考えるからです。

また、この論文では以下のようにも示されています。

普段のコミュニケーション時に、他者から「受け入れられる感覚」や「認められる感覚」を得られている者の方が、より他者を尊重する意識や自己表現することへの肯定的な意識を持ち合わせている可能性があることが示された。

上記のことを私なりに解釈すると、他者を尊重できない感覚や、自己表現の肯定的意識が少ない人は、一見コミュニケーションが良好でも、決してアサーティブではないと考えられます。


3 過去と相手は変えられないから

コミュニケーションで悩む人の思考は、自分の場合もそうですが、

「あーあの人が変わってくれたら・・・」

と、相手の変化を第一に考えてしまいます。
相手は変わりますか?
心の中で思っているだけで相手が変わったら、自分には何か特殊な能力があるのかも知れませんね 笑。

そのような力を身につけられたらどんなに人生楽なことでしょう。
そうはできないから、人生色々と悩みがつきものです。

結局のところ、自分が変わるしかないんです。
辛いですよね。
とても勇気がいることです。

我々理学療法士なら、職場で色んな人に圧をかけられたり、叱られたり、そのまた逆もあり、感情労働の繰り返しになることがあります。

アサーティブな会話をトレーニングしない限り、上手なコミュニケーションは図れないと考えます。自己流ではやはり限界もありますね。

もちろん経験がものを言う場合もありますが、経験者は年輩者である事が多く、時として自分では気がつかないパワーを使っている場合があり、それを正当化してしまう恐れがあるので十分な注意が必要です。

非主張的(Non-assertive);衝突を避け何も言わないようにするというのは、ある意味大人な対応かも知れませんが、自分自身にストレスを溜め込むことにもなりかねません。

攻撃的(Aggressive);物は言いようです。いくら丁寧な言い回しをしても、思いが言葉に乗ってしまうと相手には怒りが伝わってしまいます。私はOK・あなたはNGと考えてしまう、強がりな・無頓着な・自分本位な・支配的な・こういう人は要注意です。

アサーティブ(Assertive);相互尊重の自己主張が最も好ましいです。私もOKであなたもOKだと思う思考です。相手のことが気になって気になって、ついツッコミしたくなったり、上司批判や部下叱責をしてしまう人は、相手も自分もまずは認めてあげる勇気を持ってもらいたいものです。そして自分が思い悩む相手に対して、相互尊重の自己主張ができるように勇気をもってコミュニケーションしてほしいと願います。

言いたい事が言えなくて・・・
そう感じている人は、今まさに自分が変わるチャンスの時です‼️
あなたのコミュニケーション能力が爆発的に良くなるチャンスです!
自分のことが大切なように、相手のことを大切に考えてあげてください。
言いたいことは必ず言えるようになってきます。
大丈夫です(^_−)−☆

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