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ICF認定資格試験サンプル問題1 - SolutionsAcademy動画解説

こんにちは。ライフコーチのタクです。
ICFコンピテンシーの解説動画の要約シリーズはご好評いただき、嬉しいコメントやシェアをいただいて本当にありがとうございました。ひとつひとつ大切に読ませていただきました。

いただいたコメントやシェアから、ICFコンピテンシーや倫理規定についての情報を求めている方が大勢いらっしゃることが改めてわかりました。中でも、ACC, PCCなどのICFの認定資格を取得するために受験が必要になる認定資格試験(以下:CE "Credentialing Exam")の対策について、日本語でアクセスできるリソースが求められていることが伝わってきました。

というわけで、英文資料解説のシリーズを再開していこうと思います!あくまで英語で発信されている内容をそのまま日本語で読めるようにしていくというコンセプトで、わかりやすさのための最低限の手直しだけをして、公平に、透明に、お届けしていきます。

今シリーズでは、ICF認定資格試験のサンプル問題について解き方を解説した動画シリーズをまとめていきたいと思います。

題材にするのは、MCC, PCCコーチからなり、 2018年より累計1000人以上のICF資格申請のサポートを行ってきた実績のあるSolutionsAcademyという団体による動画です(参加しているコーチの勉強会でシェアいただきました。ありがとうございます!)。こちらの動画シリーズです。


こんな人に向けて書いていきます
・CEの受験準備中で、CEの対策がしたい。
・ICFコア・コンピテンシーや倫理規定について学びたい。
・ICFの規定するコーチの望ましい振る舞いについて具体的な知見を得たい。

それでは、サンプル問題解説動画シリーズ第1回を始めていきます。どうぞ最後までお付き合いください。


ICF認定資格試験の概要

ICF認定資格試験(CE)は、"ICFのコーチングの定義、ICFコア・コンピテンシー、ICF倫理規定についてコーチの知識と適用能力を測定するために設計されたコンピュータベースの筆記試験"(ICF Japanより)です。二つのセクションからなり、試験時間は合計で180分間、問題数は81問です。

ICF認定資格(ACC, PCC, MCC)のどのレベルを申請する場合も受験する必要がある試験で、まさにICF資格を持ってコーチとして活動していくためには、避けては通れないものになっています。

サンプル問題の概要

CEのサンプル問題は、ICFのHP(英語のみ)から閲覧することができます。

試験では、一つのシナリオについてICFの提示する倫理規定とコンピテンシーに基づいたコーチの最善の行動と、最悪の行動を選ぶ必要があります。倫理規定とコンピテンシーを読み込んで力試しに解いてみたいところですが、ICFのサイトでは、回答が太字になっていますので、模擬試験的に使うのが難しいという難点があります。

対策としては、個人的にはコーチ仲間と集まってディスカッションをするのが一番理解が深まるかと思います。本シリーズは、英語で動画見るのが苦手という方も一人でもできる対策のツールとして、ご活用いただければ嬉しいです。

サンプル問題Q1

ここから早速サンプル問題の1問目について、動画の内容をもとに考え方、解き方を解説していきます。

ICFのサンプル問題8個ありますが、動画では、それぞれがコンピテンシーの8項目にそれぞれ対応していると述べています。というわけで、以下にサンプル問題の拙訳と、一つ目のコンピテンシーを提示します。

サンプル問題1

コーチは、新しいビジネスを成長させようとしている見込み客と会っています。コーチとこの潜在的なクライアントはすぐに相性が良いことがわかり、コーチはこのクライアントとコーチングの関係を結ぶことにワクワクしています。コーチとクライアントが会話を終えると、クライアントはこれから始めるビジネスの名前を何気なく口にします。コーチは、同じ界隈のより強力な競合他社に投資家として関わっているため、そのビジネスについて知っていました。コーチは何をすべきでしょうか?

選択肢
1. 何も言わない。競合するビジネスへの投資家としての役割と、コーチとしての役割を分けて考えるように努める。
2. 企業名に聞き覚えがあることを共有し、その日の夜にそれが本当に競合企業であるかどうかを確認しようと心の中でメモしておく。
3. クライアントがコーチによるコーチングを求める場合にのみ、競合他社のビジネスへの投資家としての役割について共有する。
4. 競合するビジネスにおける投資家としての役割を共有し、クライアントと利益相反が生じる可能性を承認する。

ICF より引用(筆者訳)

コンピテンシー1

8つあるICFコア・コンピテンシーの一つ目です。サンプル問題1を解くために着目すべきだと動画で述べられている部分を太字で示しています。

コンピテンシー1:倫理に基づいた行動をしていることを示している

1. クライアント、スポンサー、および関連する利害関係者とのやり取りにおいて、個人の真摯さと誠実さを示している
2. クライアントの自己認識、とりまく環境、経験、価値観、信念に慎重に配慮している
3. クライアント、スポンサー、および関連する利害関係者に対して適切かつ敬意を表す言葉を使用している。
4. 国際コーチング連盟が定める倫理規定を順守し、コア・バリューを支持している
5. 利害関係者との合意および関連する法律に合わせて、クライアント情報の守秘義務を守り続けている。
6. コーチング、コンサルティング、心理療法、その他の支援的職業とを区別し続けている。
7. 必要に応じて、クライアントに他の支援的職業の専門家を紹介している。

ICF Japanより引用

今回関わってくる倫理規定もこちらに抜粋します。

パート4- セクション1
10. 利益相反の状況を回避するために、同じクライアントやスポンサーと複数の契約と関係を同時に持つことについて、細心の注意を払います。

ICF Japanより引用

また、動画では、こちらの倫理規定に関して、"Insights and Considerations for Ethics (ICE)"のページより以下の引用をしています。

コーチングの過程全体において、ICF専門家としての役割が曖昧にならず、どのような契約に基づいて行動しているかを認識している状態を担保することが重要である。この倫理基準のねらいは、ICF専門家が同一の個人と複数の契約をしている場合(コーチングの提供とトレーニングの提供など)に起こりうる利益相反に対処することである。

ICFより(筆者訳)

解き方と解答

ICFが規定する行動指針を確認した上で、今回サンプル問題1を解くにあたって重要になるポイントとしては、真摯さと誠実さ、倫理規定の遵守、透明性、利益相反の回避の4つが挙げられます。

これを指針にして選択肢を見ていくのですが、その時に4つの選択肢を見て、2つの良さそうな選択肢と2つの悪そうな選択肢に分け、その上で最善と最悪を決めていく解き方を動画では推奨しています。選択肢をいい方、悪い方に分けていくつもりで考えると、答えが見つかりやすいです。(私も試してみましたが、迷った場合も、二択だったらどちらがより良いか/悪いかで考えることができて、解きやすいかと思います)

この先を読むと解答がわかるので、まずは自分で解いてみたい場合は、以下を読み進める前に、ご自身で最善の選択肢、最悪の選択肢を選んでみてください。

では、それぞれの選択肢を検討していきましょう。

1. 何も言わない。競合するビジネスへの投資家としての役割と、コーチとしての役割を分けて考えるように努める。

1番が最悪の選択肢です。利益相反があるにも関わらず何も伝えないことになり、正直さと透明性に欠けます。倫理規定を真っ向から守らないことになってしまいます。

2. 企業名に聞き覚えがあることを共有し、その日の夜にそれが本当に競合企業であるかどうかを確認しようと心の中でメモしておく。

2番は、少なくとも聞き覚えがあることは共有されています。良い方の選択肢にしておきましょう。

3. クライアントがコーチによるコーチングを求める場合にのみ、競合他社のビジネスへの投資家としての役割について共有する。

3番は、あまり透明性と正直さが高いとは言えません。悪い方の選択肢です。

4. 競合するビジネスにおける投資家としての役割を共有し、クライアントと利益相反が生じる可能性を承認する。

4番が最善の選択肢です。透明性、正直さがあり、倫理規定が守られています。


みなさんは正解できましたか?
今回のnoteでは、サンプル問題1のについて、SolutionsAcademyの動画の内容をまとめました。8個あるサンプル問題それぞれについて、今後まとめていきますので、お楽しみに!

おわりに

ここからはまとめてみた感想や個人的な考えを述べていきます。

ICF資格認定試験(CE)、全体で3時間、問題数は合計81問ということでかなりボリュームもありそうですし、結構落ちるという話も聞きます。やっぱり対策しっかりして臨むに越したことはなさそうですね。

実はACCの試験に一度落ちていて、再申請に向けて動いている最中です…。夏くらいにはまた受験予定ですので、CE受ける方、一緒にがんばりましょう…!

とはいえサンプル問題はICFのサイトでは解説が見つからないし、日本語で使えるリソースも限られているのが現状です。このシリーズでは英語で出ている動画の内容をできるだけ忠実に、私見は最後のセクションにまとめて出すという方向でやっていきたいと思います。

試験対策としては、仲間とのディスカッションは学びがとても大きいし関係性の中で生まれる気づきは試験対策だけじゃなく、コーチングの実践にも生きてくることは間違いないです。ぜひ勉強会など参加したり企画したりしてみるといいと思います。このnoteも、ディスカッションの材料として活用いただけたら幸いです。

最後になりますが、みなさんのコメントやいいね、本当に励みになっています。読んでくださる皆様がいるからこそだなあと思っています…。いつも本当にありがとうございます。

もし役に立ったと思ったら、ページの下部にある"記事をサポート"ボタンからの応援もいただけたらとっても嬉しいです。いただいた応援は、まだ日本語で紹介されていないコーチング関連の資料探しに大切に使わせていただきます。

それでは、また次の投稿でお会いしましょう~!🙌

*あくまで個人的な活動のため、お気づきの点、ご指摘などありましたらお知らせください。


今回登場したコア・コンピテンシーの解説noteはこちら:

💡ICF資格取得(ACC, PCCなど)のための翻訳サービスをやってます
https://ssttstt.notion.site/ICF-f58fb4f864894151a62aaf9ce51fe23d?pvs=4

💡ライフコーチングもクライアント募集中です!
https://www.notion.so/ssttstt/Taku-2ab9883440f843229818f16fa93a40dd


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