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宿泊税と宿泊業[旅館業、民泊(住宅宿泊事業)、特区民泊(外国人滞在施設経営事業)]

「宿泊税」は、自治体が独自に課税する地方税です。
条例が必要なため、2023(令和5)年10月31日現在は、9つの自治体で導入されています。

なお、検討中の自治体もあるため、今後、増加すると見込まれています。

下記のYahoo!ニュース記事(11/12(日) 19:00配信)に、検討自治体が比較的網羅されていると思います。(北海道、札幌市など)

現在、導入している自治体は、下記の東京都の資料がまとまっています。

令和5年度東京都税制調査会第3回小委員会_資料3_抜粋_宿泊税 自治体比較
令和5年度東京都税制調査会第3回小委員会_資料3_抜粋_宿泊税 自治体比較

この一覧表を見ると、けっこうバラバラなのが、見てとれます。
事業者としては、どの場合、いくら宿泊者から徴収して、役所へ納税しないといけないのかが、気になるところです。


検討の順番

1 宿泊施設の所在地が、この自治体に該当するのか確認しましょう。

2 営業形態が、課税客体に該当するか確認しましょう。

3 宿泊料金が、課税税率に該当するか確認しましょう。

4 宿泊税の対象になる宿泊業に該当するなら、必要な手続きを行う。


*課税客体(宿泊行為)の補足

「旅館・ホテル」、「簡易宿所」は、「旅館業」の営業形態の種別です。

☆旅館業は、3種別の営業形態に分かれます。

  1. 旅館・ホテル営業

  2. 簡易宿所営業

  3. 下宿営業

*なお、「旅館・ホテル営業」は、2018(H30)年6月15日からの分類で、
それまでの「ホテル営業」と「旅館営業」が統合されました。

「民泊新法の民泊」は、「住宅宿泊事業」が、
「特区民泊の民泊」は、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」が、
役所の正式用語です。

また、役所の担当者によっては、「民泊」の意味合いを、いわゆる住宅として建てられた建物を、宿泊施設使うとして、上記の3つ(旅館業(3つ営業種別)、民泊新法、特区民泊)をふわっと使う時があるので、注意が必要です。


宿泊料金が、宿泊税のラインギリギリの場合(東京都)

東京都は、宿泊料金が、1名あたり1万円以上からかかりますが、
1年のうち、繁忙期の数日のみ超える場合でも、徴収・納税が必要になります。
そのため、業者としては、登録はする必要があります。
なお、営業形態から、1万円以上の宿泊料金は、設定しないと明確に決めている場合は登録する必要はないと思います。

詳しくは、下記の東京都 宿泊税のページをご参照ください。


許認可を取得すると、問い合わせがある場合がある

宿泊業の許認可を取得した後、役所から宿泊税に関する問い合わせがある場合があります。
その際は、慌てず、営業状況が、宿泊税の徴収・納税に該当するかを確認して、回答するようにしましょう。


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