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民泊の安全配慮義務(情報提供)〜警報発令〜

本日、広範囲で雨の影響があります。それによせて、投稿。

以前に、外国人宿泊者への情報提供の話を書いた。そこに、付随する話。

天気の状況により、様々な警報などが発令される場合がある。

一般的なホテル・旅館は、ロビーなどに天気予報や警報を掲示して、注意喚起していることがある。

宿泊中に、施設がある地域に警報が発令されて、避難する必要がでてきたとする。それらを的確に宿泊者で伝える必要があるだろうか?

住宅宿泊事業法の住宅宿泊事業者の義務としては、そこまでは記載されていない。しかし、事業者の安全配慮義務として、当然に包含されているものと考えます。それは、事業者は、宿泊者の安全・安心に対して社会一般が通常おこなうであろうと期待される行動や配慮をする必要がある。

天気予報では、警報名はいうが、それがどのような状態にあたるかは、説明されないことが多い。

そして、それらの警報はいわゆる「防災気象情報等」と呼ばれ、気象庁が発表する。

その情報をもとに、災害対策基本法(昭和三十六年十一月十五日法律第二百二十三号)60条を根拠として、避難勧告等を市町村が出す。こちらは、「避難情報等」になる。

インバウンドで外国からの旅行者が増える中、TVの緊急速報などがこのような警報に対して、多言語化する必要はないだろうか?

文字スーパーなどで、英語表記するだけで、だいぶ違うのではないだろうか?

民泊の届出をする際に、届出住宅に避難経路図の掲出をおこなう。この図は、行政指導ではあるが、「多言語化」を指導している消防署がある。これは、行政指導の有無にかかわらず、必要なことだろうと思う。

宿泊施設のある地域に、避難勧告が発令された場合、その意味を的確に伝え、宿泊者を避難場所まで誘導する責任の一端は、運営者に課せられていると思う。

1番目 まずは、「防災気象情報等」と「避難情報等」を知る。

2番目 避難場所を確認する。

3番目 警報等が発令された場合、宿泊者への伝達方法を確認する。

4番目 宿泊施設から避難場所までの経路を明示する。

5番目 宿泊施設に最低限の非常用食料等を準備する(渋谷区は民泊に関する条例では規定)

上記のようなところからはじめてみてはどうだろうか?

また、特に4番目に関しては、外国人の宿泊者への情報提供として、住宅宿泊事業者(住宅宿泊管理業者)への義務として定められている下記の項目と合わせて行えば、いいだろう。

国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則(平成二十九年国土交通省令第六十五号)
(外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置)
第二条 法第七条の国土交通省令で定める措置は、次に掲げるものとする。一 外国語を用いて、届出住宅の設備の使用方法に関する案内をすること。二 外国語を用いて、移動のための交通手段に関する情報を提供すること。三 外国語を用いて、火災、地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先に関する案内をすること。
四 前三号に掲げるもののほか、外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置

〜〜専門家のツブヤキ〜〜

災害などは、社会の矛盾をあぶり出す。影響が一番大きいのは、社会的弱者、経済的弱者になる。ほんとうの「おもてなし」とは、災害時の緊急対応時に、お客様の安全・安心への配慮ではないだろうか。引いては、地域住民への安全・安心へとつながる。情報共有・伝達は、情報弱者を基準にかんがえるべきである。そうすれば、通常の情報受容能力がある者へは、伝わるし、より安易でわかりやすいものになると思う。

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