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旅館業の「宿泊者名簿の記載事項」が、2023(令和5)年12月13日から変わります。

旅館業の「宿泊者名簿」は、法令や条例などで記載する事項が定められています。

その記載する事項が、2023(令和5)年12月13日から、変更になります。

「職業」が削除されて、「連絡先」になります。

「連絡先」とあるので、連絡がつけば電話番号、メールアドレス、SMSのダイレクトメッセージの送り先、居所などが該当すると思われます。

例えば、この連絡先を、電話番号に限定して記載を求めるのは、宿泊施設の側の運用・解釈によることになるかとは思います。

そのため、無用なトラブルを避けるため、連絡先(例 電話番号)とし、
あくまで法文上の「連絡先」という言葉を使い、例示として電話番号と記載するのが、いいのかなぁと思います。

ここで、もう一つ検討しないといけないのが、省令・条例・細則による規定です。

旅館業法は、「その他の厚生労働省令で定める事項」とあり、

 宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人であるときは、その国籍及び旅券番号
 その他都道府県知事が必要と認める事項

旅館業法施行規則 第四条の二 第3項

なお、今回の改正では、省令の定める事項に変更はないです。

そこで、さらに、都道府県知事が必要と認める事項へ委任(任せて)しているため、条例・細則を確認する必要があります。

条例・細則に、「連絡先」を入れていたところは、法律とダブルことになりますし、今回の改正に合わせて、逆に「職業」を入れ込んでくるところがあるかもしれません。

そのため、旅館業施設を管轄の保健所に、「令和5年12月13日施行の改正旅館業法で、宿泊者名簿の記載事項が変更になりますが、条例や細則で決めていた記載事項は変更になりますか?」と確認が必要になります。

整理すると、今回の改正による宿泊者名簿の記載事項の変更は、

1 法律の規定 氏名、住所、「職業→連絡先」
2 施行規則の規定 国籍、旅券番号(宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人の場合):変更なし。
3 自治体の規定 <自治体による>:変更も自治体ごとに確認が必要

となります。

そのため、次に、自治体の規定を確認しましょう。

その上で、宿泊者名簿のフォーマットの修正へと進みます。

そして、法改正に合わせて、アップデートした「宿泊者名簿」を使い始めるのは、施行日(12月13日)以降に、チェックインした宿泊者からになります。

連泊などして施行日(12月13日)を跨いだ場合、それまでの「宿泊者名簿」でかいまいません。(経過措置、法附則で規定あり。)


なお、特区民泊の宿泊者名簿も、旅館業法の改正に合わせて、「職業→連絡先」に改正されています。


蛇足になりますが、民泊(住宅宿泊事業)の宿泊者名簿は、今回の改正には入っておりませんので、変更はないです。
そちらには、「職業」欄は、健在です。


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