【書かずの書】編集者という職業(1)

--------------------------------

2014/08/04 18:00


『ハジの多い人生』という単著を出してから、あちこちの出版社の文芸編集者に声を掛けられて、打ち合わせと称して話を聞きに行く機会が増えた。

それは、かつて同業他社、競合相手、ライバルだった(少なくとも私自身はそう考えていた)人々が、日々どんなふうに仕事をしているのか、正面から堂々と観察する機会でもある。たとえば先日、かの高名な文藝春秋本館の古めかしいサロンで、ある年上の文芸編集者と話をしたあと、帰宅してから友達限定公開のFacebookにこんなことを書いた。

ここから先は

3,670字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?