施設

昨日見た夢(の続き)

 終点で汽車を降りた。周辺には何もない。車内はごった返していたはずなのに降りたのはほんのわずか。途方に暮れていた私は、そのわずかな人々が同じ方向へ向かっているのに気づいてついていった。
 次に気がついたら宿泊施設にいた。夜行列車と同じように雑魚寝だ。なぜかひどく焦っていた私は全く眠る気になれない(おそらく社に連絡をしようとしていたのだろう)。
 輾転反側を続けているまに起床時間となったらしく、全員が起き出した。仕方なく私も床をあげ皆と同じ方向へ向かった。
 大きな集会室のような部屋に着いた。何十人もの人が順々に席についていく。
 まだ焦っていた私は隣の人に電話か電報の施設はありませんかと聞いて見たがまったく相手にしてくれない。集会室では皆大人しく座っているばかりで誰も聞いてくれないし何も始まらない。
 諦めて施設を出て行こうとして立ち上がったところ、全員が私の方を見た。
 流石に驚いたが、非難がましい目で見られる筋合いはないと思い、部屋の外に向かって私にしては精一杯胸をはって歩き出した。
 全員が追ってきた。
 長い廊下の途中で振り返ったら大勢がゆっくりと追ってきている。
 そこではたと気が付いた私は叫んだ。
「お前らは○○○○○○会じゃないか!」
 それまで無表情だった先頭の何人かがニヤニヤしだした。歩みはゆるめない。
「○○○○○○め! ○○○○○○め!!」
 私はなるべく揶揄に聞こえるような意図を込めて叫びながら出口方向へとあとじさった。
 先頭の一人のまだ若く意志の強そうな女性が背後を代表するように口を開いた。
「違いますよ。誤解ですよ。我々は」
 そこで目が覚めた。

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