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しなくていい我慢に気づけるかがイノベーションを生むために重要だ

Amazon GOはレジがないコンビニ。ユーザーはアプリを入り口にかざして店に入り、欲しいものを手に取ってそのまま店を出る。その後スマホに決済通知が来る。客はレジの大行列を我慢する必要がない。(今はまだ品揃えが残念ぽいけど)

レジの行列を消した。これはセンサーとクラウドソフトウェアの合体技で生まれたイノベーションだ。今回は「我慢」と「イノベーション」について書く。

イノベーションと我慢

イノベーションの定義だけで多くの人類が釘バットで殴り合えるので、ここではざっくり「世界を変えちゃったすごい技術、思想、活動」くらいにしておく。

これまでイノベーションは様々な我慢を解消してきた。火による調理は肉を噛み続ける我慢を解消してくれたし、缶詰は戦地や被災地のような環境で不衛生な食料を食べる我慢を解消してくれた。ウォシュレットのおかげで痔に関する様々な我慢が解消された人は多いはず。なお僕は痔持ちじゃない。

イノベーションは我慢を解消してきた。裏を返せば日頃の何気ない我慢に気づくことはイノベーションを生むために必要な要素の一つだ。

僕らの生活、とかく我慢が必要な場面は多い。腹が立っても目の前の上司を殴るのはあまり良くないし、酒を飲み過ぎると体を壊す。必要な我慢だ。

その一方で殺人的な満員電車や屋外での暑さ、職場でのハンコリレー、マラリア検査の身体への負荷民事訴訟の長期化生産現場での強制労働などは解消してもバチが当たらない、「しなくていい我慢」のはずだ。

日本人の我慢強さ

日本からイノベーションが生まれづらいと聞くことが多い。ウォークマンやカップヌードルがあるじゃねえかと思いつつも、最近の海外スタートアップのプロダクトと日本企業のそれを見比べると根本的に業界、社会を変えるイノベーションは海外の方が多く感じる。

もしかしたら日本人はちょっとした不便さをそのまま我慢して耐え忍びがちなのかもしれない。
「そういうもんだからしょうがない」
「周りもみんな我慢してる」
「とりあえず今だけ耐えればいいや」
この積み重ねが我慢の原因を再生産し続け、我慢の原因を解消するイノベーションが生まれづらい背景なのかも。

しなくていい我慢はしなくていい。それで社会が良くなるなら最高だ。

日頃の我慢に気づくには

しなくていい日頃の何気ない我慢に気づくにはどうすればいいか。一つの方法は日頃の出来事に対し、自分は今どう感じているかを問い続けること。自分の中で感じたことをより細かい言葉にすること。

面倒?何が面倒?つらい?何がどのようにつらい?言葉にすることで日頃の我慢をより解像度高く掴むことができる。必要な我慢と不要な我慢を見極めやすくなる。その積み重ねは大仰なイノベーションには直結しなくても、適切な技術やタイミングが運良く揃えば世界を変えるプロダクトが生まれるかもしれないし、なにより日頃の生活が少し生きやすくなるはずだ。

イーロンマスクがLAの地下にトンネルを掘っている。今のところ前途多難のようだけど、成功すれば1時間あたり1万人がひっきりなしに時速250kmで市内を移動しまくれるらしい。きっかけは?イーロンマスクが車に乗ってたら渋滞にハマってイラついたから。「金持ち喧嘩せず」という言葉を教えてあげたい。

でもこういう我慢が足らない人間が世界をひっくり返す「イノベーションくじ引き券」を持ってるんだろう。隣にいたら多分殴ってるけど。

皆さんからのサポートはもれなく焼酎代とkindle積み本代に変換され、そこでの気付きが新たな記事のネタになり皆さんを楽しませることでしょう。多分。