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歌詞集

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2019年6月の記事一覧

「クロニクル」

一日200カロリー ケーキを食べ続けると
病気になる確率が10パーセント上がるらしい
なのに君はいつだってケーキを食べたがってて
甘いものは別だよって楽しそうに笑った

「長生きしたくない 太く短く生きたい」
君がそう嘯く度に僕は困っている

ねぇいつかどちらかがフライングしてしまったら
カレンダーはただの数字の羅列になっていくんだろう
ねぇ人生なんてさ思えば一瞬だったよね
そんなことを話せたらな

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「パキシル」

話し相手は今日も本だけ
「悲しい」ということの意味を考えてる
意味なんてないさ ただ浮かべただけ
君とすれ違うそう決まってただけ

上手くいくことってなんだったっけ
生きてる資格ってどこでとれるの
汚い笑顔とクソ親父に媚びへつらえば
それでいいんですか

誰も信じられないことは幼稚ですか
一目が恐いのは人間失格ですか
時々柄にもなく笑うのは可笑しいですか
ああ 今日も水で流し込む

嘘つき

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「デラシネ」

明け方の窓際で眺めてる にごった空
オレンジを透かしては 遠ざかる希望かな
僕たちの綻びは 戻せない濡れた地図
立ち退いた遊園地 木馬はもう回らない

時間さえ背を向けて二人を忘れてく
哀しみの始まりは 何故音もないの

心の国で あなたを探す
草一つない 灰色の地で
漂う声と赤信号
言葉の海で 濡れた手の平

書き方のわからない 手紙など初めてだ
宛先もわからない あなた宛か僕宛か

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「ブルースペクトラム」

誰にも褒められない日々を過ごしてきた
いちいち傷つく余裕もなくなって

どうすれば永遠に 忘れられないかな
本当は 覚えられてさえいないくせに

嘘をついて裏切った後 そこに流れる涙
今更もう縋るものも 僕には一つもないけど
自分以外が嫌いだって わざわざ口に出すのは
誰のことも 自分でさえも 少しも許せないから

熱が出てきたな なんて口に出してみても
何も出来ない僕の 言い訳にすら

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「切り取り線」

夕暮れ時信号が 光に溶けてしまった
私が立ち止まったら クラクションを鳴らされた
行き場のない焦燥を 虚無感で埋め合わせたら
何にもない明日さえ 迎えるのが恐くなった

社会と繋がりを持つほど
幸福度が上がってくらしい
けど誰かと繋がったところで
迷惑かけて終わりそうだ

嫌われないように我慢して 話を合わせて頷いて
疎遠になっても平気だと 嘯いたのに苦しくて

この感情が依存だと 私

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「朝露の花」

暗い暗いそんなところで 電気もつけず何してんの
読みかけの本は本棚にちゃんとしまっておけよ

おかえり 楽しかった?
言葉より先に涙が溢れて
何にもないのに 恐くなったりして ごめんね

嗚咽にも似た痛みを受け止めるベッド
昨日を引き延ばした 湿った毛布と 冷たい君の手

窓を開けたら 朝露の花
風は尊く耳をくずくる
部屋を満たした飾れないままの
言葉散らかる 一輪の花

二つ並ん

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「非行少女」

向上心のないバンドマン 抱かれて私は家に帰る
何かに照らされて光る あの月はなんで怒られない?
平常心しかないから 浮かれた他人が疎ましくて
だけど多数決を採れば 私が異分子で それから悪

毎週末の九時半に大抵全部が終わる
最低限のハードルも飛べない私の非行
最終回のエンドロールで死んだ少女がかぶる
眠るように逝けるならそれもいいかと笑う

「愛してる」の重ねがけが私の心を 独りにした
「どうか

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「紡ぐ」

「紡ぐ」

ねぇ 今から外に出て遊ぼう
服を着て 寒いから上着も
誰もいないね そりゃそうだ0時も
まわったばかりだし みんな寝てんだろ

星明かり伝い歩く君が
「転ばないでよ」って笑っていた

手を伸ばせば 届きそうな昨日みたいな今日を
踏み外してしまわぬように つま先ばかり見た
忘れないと 決めたこと それ自体を忘れても
別に構わないって思えたらな

ねぇ 今からじゃんけんで

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