そもそも「スリー・ビルボード ミズーリ州エビングの郊外」って、どういう意味?~『THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI』徹底解説1
さて、2018年上半期の映画界の話題を『SHAPE OF WATER』と二分した話題作『THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI』(邦題:スリー・ビルボード)を解説するよ。
例によってネタバレとか全然気にせずに進めていくんで、映画を未見の方は御注意を。
でも僕の解説を読んでから観たほうが絶対面白いと思います。
ええ!?
『Come Rain or Come Shine』徹底解説番外編『雨に唄えば』をやるんじゃなかったの!?
前回*そう予告したじゃんか!
また中断して別のやつ始めるんか?
これで何個目や?
ドクター・スースの『グリンチ』徹底解説…
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まだあるよ!
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これも忘れてもらっては困るな。
クリストファー・ノーラン徹底解説
お前がドヤ顔で言うな!
2019年は忙しくなりそうだな…
こんなの書いてても1円にもならないのに。
好きでやってるんでしょ…
表の仕事では書けないから…
まあそうなんだけど(笑)
さて、この映画は欧米で高く評価され、数々の賞を受賞した。
「怒りは、さらに激しい怒りを生み出す。だから冷静になろう」っちゅうテーマやさかいな。
混迷する中東情勢や、欧米における難民・移民問題、そして根強い人種差別などに向けた痛烈なメッセージやで。
そのへんのことは、こちらを見てもらえば十分だ。
「スリー・ビルボード」のウィキでストーリーも確認できるし、多くの人が実に気持ちのこもった解説記事を書いている。
じゃあもうわざわざやる必要がないじゃんか。
人が既に書いてることは書かない主義なんでしょ?
だから書くんだよ。
へ?
この映画って、あれだけ怒りに燃えていた主人公が、一縷の望みであった最後の容疑者が「シロ」だと判明して、絶望を越えて「もういいや」って感じのムードになるところで終わるんだ。
脱力ムードでね…
ええやんけ。
怒りは、さらなる怒りを生み出すだけや。
でもさ、冷静になってよく考えてみて。
もし自分が主人公の立場だったら「もういいや」って思えるかな?
自分の娘がレイプされて、焼死体で見つかったんだよ?
しかもなぜか警察は全く捜査してくれなくて、それに対して署長に抗議したら、町全体から「空気読めない人」扱いされてしまうんだよ?
それが何年も続けば根負けして「もういいや」ってなるかもだけど、たった1年で諦めちゃうかな?
そう言われてみれば…そうやな…
しかも犯人の手掛りはゼロ…
よくよく考えてみれば、あの主人公のママさん、可哀想…
ちょっと「やりすぎ」だったけど…
そこが「罠」なんだ。
この映画最大の仕掛けは、観客に対してフランシス・マクドーマンド演じる母親ミルドレッドを、あたかも「怒りに狂って暴走する人物」のように思わせることなんだよね…
ええ!?
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