コーエン兄弟『バートン・フィンク』徹底解剖23「Lower East Sideってどこ?」
さて、今回は「8時台」の解説だね。
その前に、前回を未読の方はコチラ!
さあ、何が書いてあるんや!
『ローマ人への手紙』第8章には!
まあ、そんなに焦りなさんな。
第8章は39節まであるんだけど、その全部が使われるわけではない。
「15~29節」が重要なんだね。
なんで特定できんねん?
あ、そっか!
ガイズラーのメモだ!
その通り。
あの時刻と番地は「ネタに使われる範囲」を表していたんだね。
コーエン兄弟が「ここテストに出ますよ!ちゃんと読んでおくように!」って言ってるみたいなもんなんだ…
というわけで、解説を始めるよ。
バートンは、ロサンゼルスの高級住宅地ベル・エアーのMORAGAドライブ829番地にあるリプニック邸にやって来た。
ビバリーヒルズに負けない超高級住宅地だったね!
世界でも屈指の高級住宅地だ。
大手映画会社CAPITOL PICTURESの社長リプニックの邸宅も大豪邸だった。
リプニックのオッサン、プールでくつろいどったな。
この「リプニック邸訪問」のシーンで重要なのが「ユダヤ人への侮辱」だ。
それが後のシーン「ロス警察刑事のキャラ設定」の伏線になっている。
ユダヤ人への侮辱?伏線?
映画『バートン・フィンク』の面白いところは、あるシーンで発せられた言葉や登場した小物が、後のシーンでキーワードとなって展開していくところにあるんだ。
それがどんどん連鎖していって、後半部分はもうトンデモナイことになっている。天才脚本家コーエン兄弟の神髄がいかんなく発揮されているってわけだね。
ただ日本語字幕や吹き替えでは、それが全く訳されていない。残念ながら、もう別の映画だと思ったほうがいいな。
そうだったのか…
<続きはコチラ!>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?