なぜミズーリ州?なぜこの服装?~『スリー・ビルボード』徹底解説2
さて、前回は『THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI』というタイトルの意味を解説したね。
今回は物語の冒頭シーンを見ていこう。
ねえねえ、おかえもん…
「MISSOURI」はホントにあんな駄洒落みたいな話なの?
他の人の記事を読むと、アメリカ南部がどうとか人種差別や男尊女卑がどうとか、って書いてあるよ。
まあ、もちろん、そういう側面もあるよね。
だけどそれでは「ミズーリ州でなければならない」理由にはならない。
そんな州は他にもいくらでもあるから…
そう。この映画の舞台は絶対にミズーリ州でなければならない。
かのコーエン兄弟のハリウッド・デビュー作『RAISING ARIZONA』が、「テキサス」でもなく「ニューメキシコ」でもなく「アリゾナ」だったのと同じように…
そういえば、そんなハナシもしたな…
あれは確か…
タイトルの中に「SINAI(シナイ山)」と「ZION(シオン)」を入れるため…
せやからコーエン兄弟はスタンリー・キューブリックの『博士の異常な愛情』から「POE&OPEネタ」を引用したんや…
「アルファベットを入れ替えろ」というヒントを与えるために…
その通り。日本では『赤ちゃん泥棒』というタイトルになったようだが…
しかしよく覚えてたな、お前。
見た目は鳥だが、人並みの記憶力はあるようだ。
当たり前や!
そもそもこうして喋っとるやろ!ワイを普通の鳥扱いすな、ボケが!
ワイは鳥の中でもスペシャルな存在なんやで!いわば鳥貴族や!
きのうはエビだったから、今夜は焼き鳥にしようよ。
居酒屋にでも行って(笑)
どうせカワイイ店員が目当てなんやろ…
前のジョナサンの時みたいに…
このマセガキが!
晩御飯の話は置いといて…
『スリー・ビルボード』の舞台が「ミズーリ州」なのは、タイトルの駄洒落もあったけど、物語のアイデア自体にも深く関係していることなんだ。
「娘を失った母親が3枚の看板を掲げる」
「その3枚の看板に対して権力者が対抗する」
という映画の中で描かれる2つの筋は、舞台をミズーリ州に選んだからこそ思いついたアイデアなんだよね。
お前は脚本を書いたマーティン・マクドナーか!
なんでそんなことを言い切れるんや!?
日本No.1DUDEであるこの男の言うことは正しい。
まさしくそうなのだから。
このオッサンはDUDEというよりNEETや!
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