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富山市郷土博物館と佐藤記念美術館へ行く

富山城址公園に建てられている富山城天守閣。この中にあるのが富山市郷土博物館で、富山の歴史がわかりやすく解説されている。パンフレットを見ると2003年にリニューアルとのこと。

たぶん地元で育った人は小学校の「郷土の歴史」授業などで歴史は知っている。でも県外の人はなかなか富山の歴史に触れる機会は少ない。そんな観光客でもコンパクトに、かつ立体的に富山を把握できるのがこの博物館だった。

入口で数分の動画が大きなディスプレイで始まり、戦国時代に誰がどのように支配したのか、勝ったり負けたりしたのかをパッと説明してくれる。その超基本情報のおかげで続く展示物の理解が早い(ないとつらい)。

中ほどにはプロジェクトマッピングを使った富山城址と周辺の地図がある。そこでもストーリーが始まり、地域のどこで何があったのか、何が作られて何を失われたのかを示しながら解説がある。

ほとんどの展示物が撮影OKというので、この記事のタイトル画像にしてみた。動いていないときはただ真っ白な城址模型があるのみ。でもマッピングでいろんな物語が展開されて位置関係や規模がわかりやすい。宙に浮いたところには小さい映画のように補助の画像と文章が出てくる。未来っぽい。

模型の一辺ではAという物語が流れて、1分すると対面の一辺でBという物語が流れる仕組み。お客さんは向かいの辺へぐるっと回り込んで見る。同じ模型で異なる話を紹介できる。これは他の博物館でも真似していいんじゃないか。

富山は戦国武将の戦いだけでなく、大火と災害でも大変な経験をしている。歴史を見ていると大火、災害、大火、災害のくり返し。なくなるたびに再建し、人が住み始め、文化ができ、また大火に遭ったりする。戦時中も空襲で全部焼けた。それも1945年8月1日というから気の毒としか言いようがない。「辛抱強い地域だなあ」と思わず声が出た。

急な階段を登ると天守展望台に行ける。雨の日で貸切状態。ぐるっと回廊があるので富山市街を一望できた。街の印象は「全然高い建物がない」。空が広い。

敷地内には佐藤記念美術館があり、共通チケットを買えば両方観覧できる。こちらは地元名士の佐藤助九郎氏が寄贈した美術品と、佐藤氏の作品を公開する美術館。日本や中国だけでなくイランの美術品も並べられている。移築された茶室は屋内で見ることができる。

外は冬に備えた「雪吊り」や「雪囲い」の幾何学模様が美しい。本当は雪に隠れてしまう場所だろうけれど、雨は雨で楽しめたのでよかった。



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