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夢をよく見る

最近、夢をよく見るようになった。「I have a dream」のような未来への夢ではなくて、眠っている間に見る夢。正確にいうと「また夢を見られるようになった」と思った。

小学生・中学生の頃は長々と夢を見る体質で、映画のようにストーリー仕立て、場面も3つ4つ入れ替わった。まだ記憶力がよかったので、起き抜けの日記帳に何ページも夢の内容と、出てきた人や物、建物の位置関係、なぜそうしようと思ったか、どんな結果だったのかを全部書き出せた。

でも年を重ねるごとに夢を見る回数は減る。覚えていられる場面はそれ以上に加速度をつけて減った。

夢は日常のスキマに潜んでいる無意識やアイデアが溢れたものだと思っている。だから夢を見なくなった=スキマには何もなくなってしまった、発想力も落ちたのだと思ってがっかりした。半分「年を取ったらそんなものか」と諦めながら。

様子が変わってきたのは今年に入ってからだ。去年秋に父親が九死に一生のケガで入院して、正月には仲が良かった親戚の叔父さんが急逝してしまった。家のことであたふたしている間、あまり仕事に集中せず、むしろ仕事以外のことに手を出したりノートに物を書きつけるようになった。

そうすると、スキマに嵌るものが増えてきたらしい。夜に眠ると、昔のようにくっきりとした夢を見るようになった。出てきた場所を覚えていられるし、自分の動線や位置関係も起き抜けだったら言える。

普段は出来ないアクションものの主役になる日もあれば、何か不安や不満を抱えて愚痴っているときもある。どちらにしろ、まだ頭の中に「どうでもいいこと」を紛れ込ませる余裕があったのだ。よかった。

生理学や脳科学ではまた違った意味があるのだと思う。けれど、また夢を見られるようになったことは正直嬉しい。

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