「他人を受容する練習」って大切かもしれないと思った話

先週のこと、9歳になる娘が現地の小学校から持ち帰ってきたプリント類のなかに、謎の紙が1枚、混ざっていた。

白いコピー用紙に、カラフルなペンで、まるで寄せ書きのようにして大小さまざまな字で書かれた「何か」。しかも紙の上辺には青いマスキングテープが、ぺろりとはみ出して貼られている。何だこりゃ?

娘にたずねると「カインドネス・ウィークのアクティビティで、クラスの何人かが書いてくれた」という。じゃあ一体カインドネス・ウィークとは何かというと、親切や思いやりという意味の "kindness" の週で、親切とは何か?思いやりとは何か?ということについてみんなで話し、実際にそうした行動を取ってみる1週間なのだという。

そしてこの謎の寄せ書きは、というと、クラス全員で背中に白い紙を貼って歩き回り、お互いを思いやる言葉、普段からの親切への感謝を書き合おう、というゲームの成果物だったらしい。

なーんだ、なるほどね、そういうことか!と、合点がいき、わが子に寄せられた言葉を読んでみる、ふむふむ。

Thanks for helping me in math!
  算数のとき助けてくれてありがとう!
I always love when you are so kind to share your snacks with me.
  いつもおやつを私とシェアしてくれる親切さが大好き。
I like how your smart and kind to everyone
  スマートでみんなにやさしいところがいいね
You are so good at mat****shon
  M******* が得意ですごいね (※判読不能)
You are a very good perason!
  とってもいい人だね!
I love your drawings and creativity and your volunteering and smartness.
  あなたの描く絵、創造性、ボランティア精神、スマートさが大好き。
I love how you are so thoughtful in your answers.
  答えるとき、とても思慮深いところが、すごく良いですね。(※これは担任の先生が書いてくれたとのこと)

ぉおおー! なんてやさしくてスイートなんだろう。しかも、どの言葉も各人とうちの娘との関わりや距離感の中で、それぞれに自分の中から湧き上がってきた最上の言葉を書いてくれているんだろうな、というのが伝わってくる。

しかも、みんなうちの子のことをよく見てくれてるんだなぁと、素直に感激した。というのは、親である私から見ていても、こういうところが娘の長所だと思っていることが、ちゃんとキーワードとして出てきているからだ。これをゲームの最中に瞬時に書いてくれたんだとしたら、なおのことすごい。

こんな風に、お互いの良いところを見て、肯定的でポジティブな言葉……いうなれば「人を生かす言葉」をかけあう機会が、ごくごく普通に子どものうちからあるのは、すごく良いなぁと思った。大人の私もこういうゲームに参加して、お互いのいいところを直球でキャッチボールする練習をしてみたい。

こないだも Twitter で、相手に「キモい」のような、いわば「人を傷つける言葉」を平気で言う人たちが増えている、というようなツイートが流れて行った。もしも、ここに書いたような、他人の良いところを認め、それを自分はどう感じているかを言葉にして伝える練習をする機会があったら、そういう人たちが発する言葉や、そもそもの現実の見方は、どんな風になるんだろう。

親切や思いやりと聞くと、ともするとお年寄りに席を譲る的な、特別な人助けの行動を取ることのように思いがちだ。けれども実は、一番根っこの部分って、ごくごく当たり前に他人に感謝して、他人と受容しあえるか、というところなんじゃないのだろうか。そして、相手のいいところを見つけ、いいねと声に出して伝え、いいねと言われたら額面通りに受け取るのにも、ある程度の練習が大切だったりするのかもしれない。

子どもが持ち帰った「謎の紙」から、そんなことを考えさせられた。

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おかんぼん

在米10年超のワーキングママ(英日/日英翻訳者)。こちらでは主にアメリカでの子育てと教育、英語学習、アメリカ文化などについて書けたらと思っています。趣味はボードゲーム、編み物、キャンプ、カヤックなど。

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