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私の日常に「進撃」する- by 「損切丸(娘)」

 「損切丸(娘)」「進撃マニア」を自認する大、大、大ファン。noteでせっかく「#進撃の巨人10周年」を募集しているので彼女の作品 ↓ を投稿させて頂こうと思う。(今回はマーケットの話でなくて恐縮至極です..)


エルヴィン


 1.ストーリーの面白さ、現実の世界と重なる設定

  私は進撃の巨人を愛読している。中一の時に偶然出会ってから現在まで追い続けている、大好きな作品の一つである。それ以前は何か一つのコンテンツに入れ込むという経験をしたことがなかったため、この出会いはそれ以降の生活を大きく変えるきっかけとなった

 最初に私を引きつけたのは、ストーリーの面白さだった。「進撃の巨人」は話が複雑で、一回読んだだけでは何を言っているのか分からないというシーンが多く出てくる。しかし、物語が進むにつれて、あの場面はそういう意味を持っていたのかと後々に気付かされる。もしかしたらあの時、この人はこういうことを言いたかったのではないか、あの描写はこういう意味があったのではないかと物語に対する見方が広がり、深みがでてくるのである。この感覚が新鮮で、その後の読書をする際の楽しみ方の基本となってくる。

 また、「進撃の巨人」は近代史を好きになったきっかけでもあった。読んでいると今まさに現実に起こっている民族の問題や、戦争に当てはまるのである。このような問題に対して絶対的な解決策がない、というところや、出来事の背景にある人々の利己的な動きなどがまたリアルで、現代社会に通じるものがあり深く考えさせられた。


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 2.優れた映像技術と音楽

 さらに生活に与えた影響としては、漫画から派生して趣味の幅が広がっていったことがある。原作を読んだのだからアニメも見てみようというのは自然な流れで、そこからまた更にたくさんの衝撃を受けることができた。大ざっぱに言うと、様々な分野で活躍している大人達のエンターテインメントに懸ける思いを見ることができたのである。

 まず驚いたのは映像技術である。絵を描くことが昔から好きだったので真新しい技術をいくつも見られることがかなり嬉しく、自分もこんな絵を描いてみたい、とデジタル絵に挑戦する動機となった。アニメではそのクオリティを維持しつつ、毎回のように激しいアクションシーンが繰り返されるのだから凄い。学校の宿題でショートアニメーションを作ったときは動き方を参考にさせてもらったが、あの動きを再現することがいかに大変かということを思い知らされた。

 また、絵を描く以外にも私にはピアノ演奏という趣味があり、アニメを見て感動した勢いでサウンドトラックも買ってしまったが、まさかその後、作曲家個人(澤野弘之氏)のライブに行くほど音楽にのめり込む事になるとは思ってもいなかった。曲自体がよく作り込まれていたこともあるが、その人がクラシック出身だったため今までに弾いてきた音楽の系統と波長が合ったのだと思う。

 もちろんCDに入っている音楽には、ロックやメタルに通ずる部分もあるので、そういう意味では私の聞く音楽のジャンルが広がったことも変化の一つと言える。しかし、このCDが私に与えた最大の変化は、クラシック音楽に対する私の見方が変わったことだと思っている。

 例えばCDを聞くにしても「進撃の巨人」をよく知る人とそうでない人では曲の聞こえ方が全く違ってくる。それは、この曲が作品内のどの場面に使われているかというある種の理解度に差があるからである。よく知る人から言えば、このメロディーはこの心情を表現している、といったようなことがすぐに分かるが、そうでない人からすれば、ボーカルもいない曲を延々と聞かされてただ眠いだけである。このことに気付いてから、私はそれぞれの音楽の背景を理解することが音楽を楽しむ上で大切だと考えるようになった。


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 3.私の日常に「進撃」する

 ここまで書いてきて、たまたま読んだ一冊の漫画が私の生活に多大な影響を及ぼす結果となったのだということを改めて実感している。あの時「進撃の巨人」に出会っていなかったら、私の中学・高校生活は今とは全く違ったものになっていたということは言うまでもない。出会いがなければそれはそれで別の生活があったのかもしれないが、正直「進撃の巨人」というコンテンツなしの自分は想像できない。それほどまでにこの作品から多くを学んだと感じており、また、まだまだこの作品から得られることは多くあるだろうという期待も持っている。だからこれからも「進撃の巨人」を追い続けていきたい。

 「進撃の巨人展FINAL」@六本木ヒルズを見てきて「最終回の音声」を聞いてきたが、個人的には破滅的な終わり方になると予想している。もっとも諫山先生のことだから良い意味で期待を裏切って下さるのではないか、と楽しみでもある


アニ


 -「損切丸(父)」から一言 -

 なかなかに真っ直ぐな熱い思いである。確かに作品には「不戦の契り」とか「民族の記憶の改竄」とか「地鳴らし」とか、何かと現実の社会や近代史を想起させる設定が並んでいて、幅広い年齢層から支持されているのも頷ける内容だ。音楽もロックとメタルとクラッシックの融合的なものであり、澤野さんのコンサート(nZk)には何回か一緒に行ったり、果ては「DOA」をバンドで一緒に演奏したりと、まあ、何かと親子の架け橋にはなって頂いていて感謝しています(笑)。

 ちなみに「一番好きなキャラクターは?」と聞いたら、「女型の巨人」(アニじゃないんだね)と「立体起動装置」だって。マニアック(笑)。

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