日本の保険会社って...- 高い保険料は払うだけ無駄?

 今日は個人的な話で少しマーケットからそれますがご容赦を...。

 自慢ではないが(笑)、「損切丸」は車の運転が下手である。先日、左折時に左側のガードレールに引っかけてしまい、自損事故で左側のドア2枚にキズとへこみをつけてしまった。修理費が数十万円かかることが判明し随分落ち込んだが、その修理費を上回る車両保険をかけていたので大丈夫だろう、と思っていた。「こんな時のための保険だから」

 しかし不安は的中。やはり、というか保険会社から「物言い」が付いた。「前のドアと後ろのドアのキズは同一事故のものとは見做せません」 ??偶然だったが、法定点検の帰り道だったので、当然車にはキズ一つついてはいなかった。さすがに納得いかなかったので、口頭ではなく文書で説明を求めたが、基本は「キズの高さが違う」の1点張り。担当者と話してもらちがあかないと感じたので、本社に ↓ を送ってみた。

 XXX の自損事故について、車両保険OOO万円内にも関わらず、OO万円の修理費のうちoo万円分の支払いを拒否された。文書、写真による説明では、前方ドアと後方ドアの傷の高さの違いから同一の事故と見なさない、と説明してあったが:①同車は1年点検直後で傷などがなく、その帰り道での事故であった、②左折時にぶつかったガードレールは50センチほどの幅があり、当然傷の箇所の高さに違いが出る可能性があるが現場検証をした形跡が見られない。①、②の事項については説明を試みたものの、担当者は始めから全く取り合う意志を見せず、oo万円部分の拒否ありきの対応であった。etc. etc.

 実際その場で警察を呼んで現場検証まではしなかったのはこちら側の落ち度でもあり、完全な証明は難しいのかもしれない。悪質クレーマーと思われるのも嫌なので(笑)、もう自費で払ってしまったし、正直今回拒否された保険部分を払ってくれるとは全く期待していない。ただ、こちらに明らかな不正があるのならいざ知らず、保険金が払われてこその保険だろう。

 おそらくこういう事はあちこちで起きているのだろう。この結果、筆者は:①次の保険契約で会社を替えるか、②車両保険を外すことを真剣に考えている。ただ、車両保険がとても高いことに気がついたのは勉強になった。外すと保険料は大幅に減る。支払われない保険にそんな高い保険料を払うよりも自損事故は自費で払った方がまし、と言う結論に至った。

 余計なお世話かもしれないが、これでは保険料収入が減って、結果的に保険会社にも不利益なのではないか? これまで日本人は保険金の支払い拒否についてはほとんど泣き寝入りだっただろうから、こういったやり取りが常態化しているのかもしれない。素人のドライバーよりも専門家である保険会社の意見が常に正しい、という建付けである。その「仕組み」に気がつけば筆者と同じ結論に至る顧客も出てこよう。保険が払われない保険って...

 拙著、「お金のマニュアル 保険編」でも書いたが、日本の保険会社は大事なお金を預けるには甚だ心許ない。「予定利率引き下げ」の時は「支払い保険金額」にノルマ的な制限を設けていたという話も聞いたことがある。未だに掛け捨ての車両保険についてもこういう対処だと、同じ習慣(手続)が続いているのではないか、と疑いたくもなる。少なくともコマーシャルで宣伝しているような「お客様ための~」といった姿勢は感じられない

 結論 - 掛け捨てでも設定金額=保険料の高い保険は要注意。設定金額通り支払いがなされない懸念がある。

 自然災害が増えて保険の支払いが増え、マイナス金利で運用環境が悪くて保険会社も大変なのかもしれない。それには少し同情の余地がある。しかし、それと顧客に対する保険金の支払いとは本来関係ないはず。あくまで事故発生率などを元に計算された合理的な保険料の調整で対処されるべきだろう。同様に経営環境の悪い銀行株については、様々な要因から依然ネガティブな「損切丸」だが、こんなことを続けていれば保険会社もしかり。

 元日本の銀行員としては、批判するというよりむしろ頑張って欲しくてこんなことを書いているのであるが - どこへいく日本の金融機関。

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