後記:見届ける「覚悟」

これを読む前に

本編である 見届ける「覚悟」をまず読んでもらえるとありがたいです。

8000字弱のテンポよくささっと読める日記的随筆を意識して書いてますんで大丈夫です。

そっちが「本編」。こっちはおまけ。

文章を書くにあたって

長期間に渡る事実が淡々と記述された8000字を読むのは苦痛でしかないので、日記のような随筆という形式になっています。

いつも、時系列ごとのメモ、箇条書きの記録、当日の記憶をおおよそ一度書き出してから、不要な部分をばっさばっさと削り、文章の構成を考え、体言止めにするのか、ですます調、だである調、断定するのか、思うのか、少し背景的な想いのようなものをどこに加えるのか、というのを考えてながら清書していきます。

初稿というのか、一番最初に書きだした文章では10万字余りありました。自分でも確認・読む気が失せる量です。いつもながら頑張ってよく削ってるなぁ、と自分をほめています。

まだ余計な部分・構成を見直したい部分もありますが、物書きではないので、あれくらいでちょうどよい、と思いたい。

「緊張」していたか

緊張はしませんでした。

本人の意識していないところでの緊張はあったとは思いますが、緊張しているという認識はありませんでした。振り駒のために、控室を出る瞬間だけは少し緊張しました。

そう見えた方は、しびれないように少し重心を前にして、手で体を支えていて少し肩が張っていたからだと思います。

手で支えていたのは、自分は姿勢をまっすぐにしているつもりでも右肩がだいぶ下がってしまうので、見苦しいなぁ、と気にしていたからです。感想戦のときにはそこを意識しない状態でいましたが、正座している状態ではっきり分かるほど肩は下がっていなかったので、ただ気にしすぎていただけですね。

「おれの足よ。しびれるな。」という思っていたくらいの余裕があったくらいなので、やはりそこまでの緊張はしていなかったと思います。

足はしびれたのか

実際のところ、振り駒、対局開始、退室までの間ではまったくしびれませんでした。15分か、20分か、それくらいの時間だったと思います。

事前に畳に座布団なしで30分もつことは確認しましたし。

感想戦は少し長かったこともあって、若干しびれました。立てないほどではなかったけど、すっと問題なく歩ける、という状況ではありませんでした。放送にはのっていませんけどね。

「しびれない」コツ

正座で姿勢よくするには、背筋をピンと伸ばしていればよいです。少し前屈みだったと書いたけれども、30度とか傾いてるわけでもないからです。

しびれるのは足先の血流が滞るためなので、重心は少し前に、足の親指を少し重ねるようにして空間を作っておくことです。

あとは、しびれ始めの感覚を覚えておくことで、指の入れ替えタイミングを把握する、ということもできれば、だいぶ持ちます。

じゃあ、なぜ感想戦ではしびれたのか。

時間的に長かったのと、いろいろ安心して重心についての意識が薄れていたから。

「おやつ食べてへんやん」

そもそも食べてる時間がなかったからですね。もう一度見返すと分かるけども、中川先生・貞升先生は対局中休憩を一度としてとっていません。少し長かった感想戦にも来ていただいたので食事をとる時間もほとんどなかったはずです。

中川先生は、もぐもぐしながら解説できるなら食べていたけどねぇ、という冗談をおっしゃったくらいです。これはこれで私個人としては面白いと絵面になるだろうなと思いますし、ニコニコ的にも一度くらいはアリかもしれませんが、中川先生がおそらく呼び出しを食らいます。

羽生・藤井戦終局後にちゃんと召し上がっていたよ。

運営さんスタッフのみなさんもこのタイミングだった。

対局者はもちろんだけど、解説・聞き手の先生方、運営スタッフさんも戦っているのだ、ということだよ。

大盤は回るのか

あれ。回るんですよ。知りませんでした?回るんですよ。

本当によくできていて、めっちゃカッコいい。

駒はしっかりついています。初めてのときはやはり「うっ」っと感じる磁力でした。

対局室の声の大きさ

放送を見直して、あぁ、なるほど、こういうのは聞こえないんだな、と思いました。あの場では、息遣い、駒音、会話、すべてがしっかり聞こえてました。

中川先生・貞升先生が来られたときのコメントはその通り。本当に気を遣っていただきました。

中川先生が最後に声をかけてくださったのは振り駒のときの話です。

笑い声もしたのは本編に書いたことを踏まえて、のことだったのです。

見届け人は本当に見届けただけなのか?

それぞれの対局の状況で違うと思うので、すべての見届け人それぞれに全員違う何かがあったと思います。

ほぼすべての人に共通しそうなことは、デカフェの生茶を飲めたことじゃないでしょうか。

私はあのとき初めてデカフェの白いやつ飲みました。飲みやすいすっきりした感じで好きです。

羽生・藤井戦後の中川先生の感想戦参加

元々、両対局者同士のしっかりとした感想戦が進んでいたので入っていく必要はないか、という話だったのですが、私がたまたま見た「参加希望」というコメントに、「ユーザーさんも期待されていますから、お願いできませんか。」という話を向けたところ、「そこまで期待されたら仕方ないな。」といって参加してくださったのです。全面的に中川先生のファンサービスです。

貞升女流はもう帰った、というコメントがありましたが、それは違います。私の相手をしてくださっていたのですよ。独り占めしたっていいじゃない。見届け人だもの。これくらいは許してくれよ。頼むよ。

最近何度か出ている「直線の書き方」はこのときにしました。

直線の書き方

「肘を浮かせて、ためらわず、線の終着点まで一気に書く」です。

肘をついていると、そこが支点になってしまうので、関節の構造上まっすぐ線を描くのはとても難しいです。イラストレーターや漫画家の方とかなら肘をついていても書けるのかもしれませんが、おそらく本人の意識しないところでひたすら書き続けた結果、まっすぐ引けるようになったのだと思います。

「揮毫のときに肘をついて書いていませんよね?」という話は納得されていたので、そこは無意識に実践されているのかもしれません。こすってしまうと揮毫が台無しになるし袖口も汚れる、という経験則もあるからでしょうか。

もしかしたら「ためらうな」が一番大事かもしれません。心理的にも。

私は漫画や絵を描くことはありませんが、タブレットの操作とかで慣れていたので、まっすぐ描けました。

価値は?

一日通して本当に楽しかったですし、「楽しかった」という言葉で十分だと思います。本当に本当に「楽しかった」。私にはそれで十分です。

自己紹介文

「ひょうがらのおかんこと前川」としか書かなかったと思うんですが、他の方の思いの詰まった長文に、「もうここでも悪手指してるやん。」と思いました。

ドワンゴ主催やのに!

何が変わっていたのか

私は終局直後に広告を出したのを覚えている人はいるだろうか。

私はこう言ったのです。

「振り駒のときと5ヶ所違います。分かるかな?」

正解は以下の5ヶ所。

1.時計をしている腕が左右異なっている

2.ネクタイが違う

3.メガネが違う

4.髪の分け目が左右変わっている

5.靴下がまったく違うものに変わっている

でした。

ほな、また

ねこまどさん、忘れてへんからな!