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散らかっていても

部屋にはカセットテープや灰皿、マンガに楽器が散らかり放題、開け放った窓から雨風が吹き込んで、びしょぬれになっても大いびきで寝ていたことのある息子。安物の赤いマットレスが色落ちしだして、シーツは真っ赤。ベッドから血のように赤い水がしたたり落ちていました。

その部屋を整理していたら、恋愛と結婚をめぐる本が出てきて、息子がその中のアンケートに回答を書き込んでいます。「部屋のインテリアをコーディネートしている」にマル。「レストランは雰囲気やインテリアを重視して選ぶ」にマル。「外出するときは身だしなみにかなりの時間をかける」にもマルがしてありました。

先日「捨てられない私」と書かれていた方が、物が捨てられなくて家の中が乱雑になっているのを気にしておられましたが、心配ありません。ホント、散らかっている感じのコーディネートってあるでしょ。

部屋に何もないのが片づいているという先入観を持っている人もいますが「茶の本」には、千利休が、大切なお客さまを迎えるためにほうきで落ち葉をきれいに片づけた弟子に、もう一度落ち葉を散らすように命じたと書いてありました。ここまでいけば芸術でしょうけれど、でも楽しくなる感じですね。

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