言われてみれば、何故だろう。
そんなことを考えることがあるだろうか。

普段何気なく僕たちが目にしているもの、触れているもの。
冷静に見つめてみると、奇妙に思えることがある。

#KuToo 運動が話題になった。女性のパンプスの着用を強制させられることに疑問を抱いた女性のSNSの投稿が発端だ。

言われてみれば、確かに変だ。というのが正直な感想だ。この「言われてみれば」を言われる前に気づくことは、案外難しい。

僕は小さい頃、所謂「良い子」だった。先生や親の言うことには逆らわなかったし、規則もちゃんと守った。そこに何も疑問も抱かなかったし、それが当たり前だと思っていた。

そんな幼少時代を過ごしていたから、僕は自分で考えることが苦手になってしまった。与えられたことが「正解」で、それに従うのみ。そんな人間になってしまった。

幼き頃の習慣というものは、なかなか抜けない。もっと身の回りに懐疑的な視線を持つべきだったと後悔している。

振り返ってみれば、中学校の頃制服を着崩していたアイツも、隠れてタバコを吸っていたアイツも、「学校」の奇妙さにいち早く気づき、自分の考えを持っていた。

自分は何も考えていなかった。
ただ毎日を消化していたに過ぎなかった。

いつしか、そんなことしか考えられなくなってしまった。