ブロックチェーンとは何ぞや

《今回のポイント》
ブロックチェーンとは投資目的のシステムではなく、「ヒト・モノ・カネ」をつなぐ次世代の信頼構築システムである

《本文》
先日ブロックチェーンとは何ぞやを知るために、ブロックチェーンのプロダクトを作っている会社の社長と会談してきた。
ブロックチェーンというと、一般的にはまだまだ仮想通貨のイメージが先行しているように感じている。

ブロックチェーンは簡単に言うと「ヒト・モノ・カネ」をつなぐことができるシステムである。
最初に出てきたプロダクトがたまたまビットコインであり、投資目的のイメージがついてしまったが、目的はあくまでも「ヒト・モノ・カネ」をつなぐことができるシステムである。

ここで、具体的にブロックチェーンのシステムを上手に活用している事例を見てみる。
・ウォルマート
ウォルマートはご存知の方も多いだろうが、世界最大のスーパーマーケットである。
このウォルマートが何をしたかというと、「生産者の見える化」をブロックチェーン技術を活用して行った。
どういうことかというと、皆様もスーパーマーケットで「鈴木さんが作ったレタス」という表記を見たことがないだろうか。
恐らく鈴木さんという方が写った写真と共にレタスが置いてあり、生産者が分かるため安心、という心理で購買に繋げている事例である。
しかし、一旦考え直してほしいのだが、確かに畑にいる写真ではあるが、本当にその畑で作っているのだろうか?鈴木さんらしき人が写真に写っているが、そもそもこれは鈴木さんなのだろうか?佐藤さんではあるまいか?仮に全て正しいとして、何かの拍子で田中さんが作ったレタスに入れ替わっていないか?等、本当のことはわからない。
ウォルマートでは、そういった課題を解決するためにブロックチェーンの技術を活用して、生産者の見える化を行っているのである。

・みんな電力
みんな電力という企業は、名前の通り電気を売る会社である。
この会社では、ブロックチェーン技術を活用して、どの電源から電力を買ったのか、ということを分かるようにした。
このシステムはどこで使えるのか、と考える人もいるかもしれないが、実はこれからの日本、いや、世界規模レベルで非常に重要なシステムとなることが予想される。
ご存知の方も多いと思うが、今は全世界的にCO2を排出しない再生可能エネルギーが重要視されている。
GoogleやAppleといった海外の大企業から始まったRE100(事業運用をすべて再生可能エネルギーで賄っていくことを目指すプロジェクト)というプロジェクトも数年前に立ち上がった。
しかし、電気というのは火力発電で作ろうが、原子力発電で作ろうが、太陽光発電で作ろうが、その質に差は存在しない。
実は私も過去に再生可能エネルギーの電力小売りに携わったことがあるが、「再生可能エネルギーで作った電気と言っても全部同じ電気ですよね?」という声が非常に多かった。
長くなってしまったが、詰まるところ、この電気がどこの、何で作られた電気なのかが分かるようになる、ということである。
今はまだ認証されていないが、今後はこのシステムを活用することで、より再生可能エネルギーによる電力の売買が活発になることが予想される。

さて、ここまで書いてきてお分かりいただけたと思うが、ブロックチェーンはあくまでも「ヒト・モノ・カネ」をつなぐためのシステムである。
投資はその経済圏が豊かになることで行うことが出来る副次的な結果である。

このブロックチェーンというシステムは今後もさらに活用の余地があるだろう。
私がパッと思いつくだけでも、「飲食店や健康食品の口コミをブロックチェーン化」「一人親方の評価をブロックチェーン化」といった内容が出てくる。

今後も目を離さずに動向を見ていきたいと思う。

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