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9/10 食べ物の恨みは、食べ物で晴らす

火曜日は子ども達の習い事。
いつも帰りが19時前後になるので、私は省エネモードで過ごす。

まず、お迎えに行く車の中でヒールを脱ぎ、つっかけに履き替える。車に乗り込んだ子ども達が、もうすぐ水筒からっぽー!と言えば迷わず自販機に直行する。

息子が靴のまま座席にあがっていても怒らない。娘が「実は…」と給食のミートソースで完全に汚れた白いTシャツを見せてきても。誰がどんなことをしても、怒る気力がもったいない。疲れちゃうから。アーハーン?とやり過ごしたほうが身のためだ。

そんなふうにゆるゆると過ごすからこそ、遅く帰宅しても一応はごはんを用意しようという気持ちになる。でも、今日は腹が立つくらいに暑かったし、途中で娘の体操服を買いに行くという珍道中も挟んだ。もう、いいんじゃないか。

「ねー、お母さんさ、今日はもう晩ごはん作りたくないなぁ」
帰り道、ちょっと甘えた声を出してみる。
「えーそうなの?私は元気もりもり!」と娘はなぜか自分の体調を返してくる。(我が子あるある)じゃあ君が作ってくれよ、と思う気持ちをぐっと堪えて、内緒話みたいに耳元で囁く。

「ね、3人でサイゼリヤ行っちゃう?」
これぞ、伝家の宝刀的一言…!私はたぶん、ドヤ顔をしていたと思う。脳裏ではもう、エスカルゴがぐつぐつと音を立てていた。

しかし、娘は冷静だった。
「ん~いいけど、パパってきょう飲み会?」
パパの夕食を案じているのだ。自分で夕食くらい調達できる38歳の大人の、寝る直前にしか帰ってこない男のことを。帰ってきたって「今日はお昼が遅かったからさぁ」などとごはんを残したりする男のことを…!!

「…ううん。飲み会じゃない。パパは、帰ってくる。」
「じゃ、だめじゃん」

8歳に論破された私は、帰宅後おとなしくストックの餃子を焼き、ナムルを和え、残り野菜で炒飯を作った。エスカルゴじゃないし、フォッカチオじゃないし、チーズとトマトのサラダじゃない。妄想でふくらんだ食欲は、一体どこへやったらいいの。

しばらくして帰宅した夫は、片手で携帯を見ながら、さも当たり前のようにご飯をぱくぱくと食べる。いや、当たり前なんだけど。食べないよりはいいんだけど。なんだろう腹の底から沸きあがるこの気持ち。

私は携帯のメモを開き、2019年のウィッシュリストに追加する。
・家族でサイゼ、夫の前でデキャンタのワインを飲む

#日記 #サイゼリヤ #子育て #ワンオペ

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