9/29 だから旅に出る
2019年も、残すところ3ヶ月。
今年は年始に立てたWish Listを思いのほか達成できている。
「やりたいことをやる」よりも「やりたいことをやって、書く」ほうが、私の場合は叶うのだと知った。書くことで、何をやっても報われる気がするから。
それでも、
・台湾へ行く
という項目は、果たせずにいた。むしろ、ここ数年はこれを繰り越している。どうしてだろう。行きたいのに。いつもGoogleMapに旗を立てて、行きたい行きたい騒いでいるのに。
残り少なくなったリストを見ながら、これはもう、考えずに勢いでいくしかないと腹を括った。スマホをポチポチと押し、ようやく航空券とホテルを取って、あとは行くだけ。
それでも、不安になってきた。現地で誰とも約束していない、本当の一人旅はいつぶりだろう。1日家族と離れたって寂しくなってしまうのに。果たして楽しめるだろうか?
本当にひとりだった17歳の私と、36歳の私では、実は今のほうが弱いのかもしれない。
旅が近づくにつれて「ほんとうにひとりになる」ということが現実味を帯びてくる。お母さんであり奥さんであるという守られた状態から、「ただの私」になる。何が怖いって、剥きだしの私は空っぽである。
前置きが長くなってしまった。そんな気持ちのまま、図書館で紀行のコーナーに足を止めた。この不安を消してくれるような、そんな本を探していた。
ふと、目の前の本を手に取り、裏面の解説を見て、あとがきを開く。
小さな自由さえ思いつけなくなってしまった、そんな世代にこそ言いたい。人生は自分のもので、そして思い出を…絶対に人にはゆずることのできない、自分だけのものすごい、でっかい、たくさんの、お墓に入るときににんまりしちゃうような思い出を作ろう!と。
よしもとばなな「人生の旅をゆく」
この文章を読んで、心に詰まっていたものが少しだけすーっと溶けた。
自分だけの思い出を作る。寂しくてもいい。いや、むしろ寂しいほうが良いのかもしれない。寂しさの先には何があるのか、知りたくなってきた。
こういう言葉を書ける人がいることにも、救われる。
言葉は、その繋ぎ方ひとつで良いものにも悪いものにもなる。人を傷つけもするし、人を動かしもする。
私はひとりになったら、何を書きたくなるのだろう。
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