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週末の廻らない寿司・娘寿司

この度、娘(8歳)が寿司屋を開業した。
かねてより本人が希望していて、私も同意していたが、ようやく。

オープン価格なのか、すべて0円だ。
しかし、残念ながら修行期間も0日だ。
あと誤字もなかなか。

正確には、YouTubeで寿司職人の動画を1回見て修行した。なかなか複雑で難しい。「もういいじゃんそういうの。わたし、できるし。」と言われてしまった。

寿司を舐めるなという気持ちにもなるが、運動会帰りで疲れていたので、とりあえずお任せすることにした。

娘が米を2合炊き、私がそれを酢飯にする。
酢と水を1:1で合わせた手酢も準備する。
みんなで酢飯をパタパタ扇ぎ、冷ましている間に、冷蔵庫からお刺身や納豆、コーン、生ハムなどを食卓に出す。ついでに運動会弁当で詰めきれなかったおかずも。

夕飯の準備はなんとここまで。
あとは自分用に豚足をトースターで焼き、冷たく冷やした日本酒とお猪口を2つ。夫はスーパーで買った軟骨の唐揚げを準備している。最高にラクだ。

先に風呂に入ってパジャマ姿の娘が、ドヤ顔でオペ前のポーズをキメている。「いらっしゃいませ!なんにしますか!」ここの大将は声が大きい。

「あ、じゃあイカをお願いします」
「はいよっ」
冷酒を注いで、しばし眺める。
なんだかそれらしくシャリを上から押したりしている…!

「へいおまちっ」

お?
いんじゃない?
親バカなのでジャッジは甘いが…

口に入れると、シャリがふんわり柔らかい。
ネタも馴染んでいる。
小さな手と、体温が良い仕事をしている。(気がする)

寿司屋には遠く及ばないが、回転寿司より美味しいかもしれない。娘寿司、あなどれない。

ちなみに、この大将は寿司を握りながら自分も食べているし、弟子が乱入してぼくもやるー!と握り始めたりするので、衛生面はイマイチである。でも、ラクで、楽しくて、美味しい。お腹いっぱい食べても、お代は要らないらしい。

「ママがおいしいって言ってくれるから、わたしどんどんにぎりたくなっちゃう!」そんな大将を見て、息子がメニューを持ち去り、こっそりなにかを書き足す。

なに?と覗き見ると、
「おすすめ ☆ ごはんだけ」
と書いてある。彼はにんまり笑い、「つゅくってあげようか?」と言う。

う、うん…彼は椅子から握り側にタタタッと走り、手酢を付け、ごはんをだんご状に丸め、それを潰しながら海苔で巻きつける。
す巻というやつだ。背筋を伸ばし、それを受けとる。

信じてもらえないかもしれないが、これが美味しかった。美味しい!と言うと、息子は手を叩いて喜び、そのあと2つも作ってくれた。

料理は、手数や美しさだけではない。愛する人からの優しさが伝わる食べ物は、何よりのご馳走だ。

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