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短足にデニム

私の足は短い。
どれくらい短いかって、身長差が17センチある夫と座高は同じだというくらい短い。
運動は全て苦手だけど、立位体前屈だけは優勝できる。無論、体が柔らかいからではなく、足が短いから。

そんなふうだから、普段はパンツよりも断然スカート派だ。足がスッポリ隠れるロングスカートや、お腹ゆるゆるのゴムのスカートを好んで履いている。

しかし、よく動く日はそういう訳にもいかない。運動会、廃品回収、環境美化、学校清掃、地区の球技大会…上の子が小学校に上がってから、「汚れてもいいパンツを履くべき」行事が倍増している。

ちょっと良いデニムさえあれば。
ここ数年、ずっとそう思っていた。

しかし出来心で試着をすると、太ももパンパンの遠山の金さんが参上してしまう。(丈がズルズル)

あ、サイズぴったりですね〜 え、ぜんぜん大丈夫ですよ〜
みたいな、しょうもない接客をする店員を振り切り、とぼとぼと家路につく。

家にあるデニムは、もはやデニムとは呼べない質感のGUと、とてもお気に入りだったのに股から裂けたアメリカーノ、古い型すぎてババア化が止まらないリーバイス、絶対入らないのに捨てられないブラックデニムのxgirl。

全員戦力外通告。こんまりなら発狂してるくらい、ときめかない。完全に情だけ。

しかし、デニム運は突然にやってきた。ふらっと入った雑貨屋に、D.M.Gのデニムがあったのだ。

D.M.Gは、高校の時に流行っていて、何年も愛用していた。しかしやはり股から避けて、グッバイ。(デニムとの別れはいつもそう)

懐かしい!履いてみます!とシャッと試着室に入り、パッと履く。あ、すんなり。

Sサイズでもスッと入り、しかもアンクルデニムなのではじめから短い!10センチ以上丈を切られて辱められることもない。

更に、膝から下がすっきりと細く見える。「あ、めちゃくちゃ良いからこれにします!」店員さんのどうですか?より前に宣言して、シャッと試着室の中に戻る。

店員さんが、わあ良かったです〜と言うのを背中越しに聞き、ボタンに手をかけながらこれこのまま履いて帰りたいなと思う。思うやいなや再びシャッと試着室のカーテンを開けて「このまま履いていっていいですか?」と聞いたら店員のお姉さんはしゃがんで忍者みたいなポーズで試着室の前で待っていた。

試着室シャッシャしてごめんなさい…
反省する私をよそに、店員さんは笑顔で私のお尻のタグを取ってくれた。

ちょっと良いデニム、短足にD.M.G
生活のレベルが格段にあがった。
だって体に合ったデニムがあれば、私の用事なんてどうにでもなる。
嬉しいなあ。公園にも楽しく行けそうだ。

#日記 #エッセイ #デニム #買い物 #日常

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