関係人口-01-01

「関係人口」イベント参加レポ

兵庫県北部”但馬地域”で移住相談員をしているオカサカです。
まちづくりがライフワークです。

一昨年くらいから「関係人口」という言葉が囁かれはじめ、H30年度から本格的に総務省のお達しで市町が動き出す。そんな流れが移住界隈にあります。
僕自身も昨年から「関わりやすそうな人」を意識して移住イベントのゲスト選定等を行ってきました。

先日、但馬で「関係人口×豊岡劇場 トークイベント」があったので、参加してきました。
「関係人口をつくる」の著者:田中輝美さんと豊岡劇場の伊木翔さんのトークセッションです。


関係人口とは、、、
交流人口(観光)以上、定住人口(移住)未満の人々。ローカルジャーナリストの田中輝美さんが書かれた本「関係人口をつくる」がこの言葉を広めるキッカケとなった。
豊岡劇場とは、、、
兵庫県豊岡市にあるローカル映画館。一時は廃館したが、復活。その復活プロジェクトのリーダーを務めるのが伊木翔さん。「映画だけじゃない映画館」がコンセプト。


トークセッションは、簡単な自己紹介と関係人口の説明を行なってから事前に集めた質問に答える形で進められました。
本記事では個人的に気づきになった点だけをまとめますので、網羅的じゃないですし「関係人口とは??」な方にはやさしくないかもです。
言葉もスピーカーが言ったことをそのままでもないです。むちゃくちゃ僕の言葉になってます笑
あしからず


ローカルジャーナリストが都市部の人に「地方」という選択肢を作る

大手メディアにおいて、地方の情報は事故や事件くらいしか露出が無い。
→地方の良い情報東京に届いてない。
→都市部の人にとって何をするにも「地方」という選択肢はない
→ローカルジャーナリストとして地方の良さを発信する


関係人口の定義はまだ曖昧

離れていても地域に関わってくれてる人→仲間

交流人口以上、定住人口未満。

交流人口は客であり消費者、関係人口は仲間であり生産者。

課題解決に作用しなければ交流人口。

「人口」という言葉が「数」を想起させるので、そこが批判される。


「見える化」は「数値化」ですべきじゃない

「どうやって見える化すれば良いですか?」これよく質問される!
行政が動くからこそ、目標数値や報告のために数字が必要で、数値化による見える化を求められる。
でも、そもそも関係人口は数値化すべきじゃないかも知れない。

関係人口は多ければ良いものでもない。
また、関係人口が必ず移住に繋がるわけでもない。
ただし、地方の課題解決のうらには関係人口がある。
だから、関係人口は「解決した課題」が評価基準となりうるんじゃないか。
たとえば祭りを開催できましたとか
関係人口が先に立つのではなく、やったことの裏に関係人口がある。


今後のローカルの価値は、地域課題があること

来ないと買えない、味わえない、体験できないことに価値がある。

そして、地域課題があることはローカルの価値となる。


関係人口はこれからの概念

関係人口に似たような関係は昔からあって、これからも在るもの。
その概念が言語化されて、脚光を浴びている。
大事だけど曖昧で、活かしたいけど理解されない。
だから学術的にちゃんと詰める。
定住人口が間違いなく下がっていく地方を、支えうるのは関係人口。
しっかりと育って欲しい。


関係人口の取り組みを行政側として評価したい

移住は結局ヒトなんだと。ヒトとの縁なんだと言われています。
僕もそう思います。
縁をつくることは大事で、縁が育つことも大事で、縁が育つ環境をつくることも大事で、そんな環境に惹かれて勝手に縁ができることも大事で。
行政がやるあるいは支援すべきは、それらの全てだと思います。
その循環を理解した上で、直接的な移住施策だけじゃなく移住が進む土壌を醸成させたいのに、関係人口の本質が理解されない行政の評価システム。

だから、僕は「見える化」にこだわりました。
実は今回のイベントの質問パートで、僕は見える化についてかなりしつこく意見して、輝美さんを困らせました笑 ごめんなさいm(_ _)m

民間だけで循環ができあがることはありますが、だからと言って行政がやらなくていい理由にならない。できることであれば、行政も力になりたい。最低でも、民間の活動をちゃんと評価して、支援したい。

でも、今までの関係人口は、行政にとって正当に評価できるものじゃなかった。
単純な人数じゃ正当に評価できないことはわかっていた。
ソーシャルインパクト(質)の軸を加味した数式が欲しかった。

今回、「解決した課題」が関係人口の評価基準となりうる可能性を示唆してもらい、助かった。
これなら行政的な理屈も幾分通りやすい。
関係人口を持ちながら、まちづくりしている人たちをちゃんと評価できる。
「仲間内で楽しんでる」みたいな評価されなくて済む。

もちろん、まだまだ固まってなくて、ぼやけてて、カバーできない部分も多い評価基準だけど、先が明るくなった気がする。
行政が手を出して変な感じになることは多いかもだけど、ワカッテル行政マンが動きやすいように整備してあげることも、循環を日本全体で回すために必要なことなんじゃないかと思います。




P.S.

非常に共感する内容が多く、楽しいイベントでした。

また、田中さんの人柄が良く、「関係人口ってこんなんだぜ(ドヤァ)」な感じが全く無かったので、発展途上の関係人口を見守っていきたいという気持ちになりました。


ライフワークとしてまちづくりする者として、
行政の雇われ移住相談員としてまちづくりする者として、
両者の視点でこのイベントに参加しました。
ここからは超個人的な感想。
関係人口が超自分事な人の一例です。

①長年悩んだ関わりしろ

Uターンしてまちづくりを始めて6年ほど経つ私ですが、地域で活動する中でよく言われることがあります。
「オカサカくん良いことしてるね。大阪に居る息子が地元好きなんだけど、何か手伝えることないかな?」とか「地元になんか貢献したいんだけど、なんかできることない?」とか。
大きなこともせず、ちょこまかとまちづくりしていた僕にとって、彼らの声に応えることは長年の課題でした。
自分の個人的な活動で精一杯なのに、どうやって関わりしろを作れば良いのか。
継続的に関わってもらえて、僕にも、相手にも、地域にもwin-win-winな関係が築けるのか。
失敗しながらも、去年あたりから何か掴めたような気がしていたところに「関係人口」という言葉が降りてきました。

僕が悩んでいたことは、これからみんなの手で解決に向かえるんだと救われた気持ちになりました。

②僕が考えていた生き方は関係人口そのものだった

20歳の頃、将来Uターンして地元貢献することは心に決めていました。
すぐに帰っても役に立たないだろうと考え、32歳くらいまでは東京の会社で広報関連スキルを高めながら、会社の事業を地元に絡めれたら最高だなとか考えてました。
具体的に言うと、NKBという交通広告の会社があり、その会社はOOH、プロモーション、パブリックアート、WEBといった広告関連事業に加え、ぐるなび系コンテンツで地域に絡めやすい会社でした。OB訪問の時に地元と絡めたいと言ったりするほどにガチでした。
今思えば、完全に関係人口です。
当時はあまり理解されなかったことでしょう。
これからは理解されやすくなると思うと、昔の自分が救われます笑
結局は卒業後すぐにUターンして活動をはじめたので、関係人口になった経験はありません笑

また、自分は地元で塾を営んでいるのですが、子どもたちよく言うことがあります。
「将来、地元に残るかどうかは自分が決めることだよ。地元を離れたからといって地元に対して何もできないわけじゃないよ。自分が地元を想い、何かしらのスキルを身につければ、どんな形であれ地元に貢献はできる。だから、残るか出るかは重要じゃないんだよ」と、将来について話します。
これもまさしく関係人口を言っていたんだなと。
関係人口が広まれば、いろんな人が関わり方をイメージしやすくなって、地元にも関わってくれやすくなるなぁと。


移住相談員としても、
地元好きの一住民としても、
まちづくりをするNPO代表としても、
教育に携わる塾長としても、
子どもの生き方を尊重したい親としても、
関係人口の概念は希望なのだと僕は思っています。


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