遺言〜前編〜
純、蛍 俺にはお前らに遺してやるものが何もない。
でも、お前らには、うまくいえんが、遺すべきものはもう遺した氣がする。
金や品物は何も遺せんが、遺すべきものは伝えた氣がする。
正吉や結ちゃんにはお前らから伝えてくれ
俺が死んだ後の麓郷はどんなか。きっとなんにも変わらないだろうな。
いつものように、春、雪が溶け、夏、花が咲いて畑に人が出る。
いつものように白井の親方が夜遅くまでトラクターを動かし、いつものように出面さんが働く、きっと以前と同じなんだろうな。
オオハンゴンソウの黄色の向こうに、雪子おばさんやすみえちゃんの家があって。もしもお前らがその周辺に“拾って来た家”を建ててくれると嬉しい。拾って来た町が本当に出来る。
アスファルトの屑を敷きつめた広場で快や孫たちが遊んでたらうれしい。
金なんか望むな。倖せだけを見ろ。
ここには何もないが自然だけはある。自然はお前らを死なない程度には充分毎年喰わしてくれる。
自然から頂戴しろ。そして謙虚に、つつましく生きろ。それが父さんの、お前らへの遺言だ
黒板 五郎
引用:北の国から 2002遺言
はじめに
こんにちは。おかしずです。
4月になっても寒い日が続きますね。
最近だと雨の日も多くて、もう少し暖かくなって欲しいものです。
遺言〜前編〜では国民的ドラマ「北の国から」を見た感想を、
そして次回、遺言〜後編〜では今回5月に転職することとなったので
前職での社会人生活を振り返って行きたいと思います。
さて、文頭にあるのは「北の国から」2002遺言にて、
黒板五郎役を演じる田中邦衛さんが我が子の為に書いた遺言です。
先月、3月24日に田中邦衛さんは88歳でお亡くなりになりました。せっかくの機会だと思い、大人になって初めて「北の国から」を最初から最後まで網羅して見ることにしました。
「大人になって」と言ったのは、子どもの頃に両親が熱心に見ていたのを横で見ていたし、少しばかりはストーリーを知っていたからです。
僕の両親は熱狂的な「北の国から」ファンで、わざわざ富良野に旅行に行き、ロケ地巡りをするほどでした。
ただ、子どもからすると家族愛のあるドラマだとはわかっていても、なかなか楽しめるドラマではなかったのはよく覚えています。
改めて北の国からを見てみると
最近では便利なもので、放送を録画したDVDがなくても、ビデオ屋に借りに行かなくても、見たいドラマは家ですぐに見れるようになっています。
早速、「北の国から」を見始めたのですが、僕の心を掴むのに時間はかかりませんでした。
妻には「昭和に行ってくるね」と伝えて、ドラマを見始め、涙を流している夫は非常にクレイジーに見えただろうなと思います。
ただ、北海道の大自然の素晴らしさ、黒板五郎の父としての強さ、純と蛍の強く生きていこうとする姿、富良野の人達の温かさ、昔の日本の良さなど魅力は尽きません。
「子ども側の心境を理解しつつ、自分が親になったらこうなるのかな」とか、「僕の親はこのドラマを自分の子育ての手本にしていたのかな」などと思いを馳せるばかりです。
さらに、1番驚いたのは登場人物で亡くなっている方が多いことです。五郎さんも中畑のおじさんも、清吉おじさんも今はもうこの世にいません。もちろん長期的なドラマなので当たり前といえばそうですが、「北の国から」の物語を成り立たせていた大事な人たちがいないと思うと寂しい気持ちになりました。
子どもの頃は知らなかったこと
「北の国から」を見て、子どもの頃は知らなかったこと、それは登場人物の人間関係のだらしなさについてです。結構頻繁に不倫や浮気が頻発します。
元々、五郎が東京から北海道に子どもを連れて帰ってきたのも、妻令子の不倫がきっかけでした。
親が不倫で離婚しているのを知っていながら、蛍も不倫の子を身籠るなど、時には北海道の自然の厳しさよりも大変なことが起きていました。当時の日本では普通だったのか定かではありませんが、「こんなにドロドロしていたんだ」と驚きました。
北の国からの魅力とは
第1話から2002遺言まで何しろ21年間もシリーズが続いていて、内容もそれぞれの時代に沿って作られているので、魅力を事細かに語るのはかなり大変です。
黒板五郎の世代、または純や蛍の世代の人達はそれぞれに感情移入してドラマを楽しめたことでしょう。純の気持ちがすごくわかっていたのにいつの間にか親になり、黒板五郎の素晴らしさに気づくこともあるでしょう。
僕は純や蛍より20年ぐらい後に生まれた世代で、このドラマで起こることはどうしても過去にあったものとして捉えてしまいます。
その出来事1つ1つにその時代の日本を強く感じ、より作品としての完成度が増し、昇華したものとして楽しめることが僕達の世代の特権なのではないかと思います。
見たことない人も、見たことある人も
ぜひまた「北の国から」を見ることをお勧めします。
北海道、富良野に黒板五郎がいるんじゃないかと信じ、黒板五郎の存在を探しに北海道に行くようになれば、あなたも熱狂的な「北の国から」ファンです。
そして、子どもを使って「北の国から」のワンシーンを再現するようなセリフを話始めたら少し危ないかもしれません。(僕の親です)
次回は・・・
次回、遺言〜後編〜では今回5月に転職することとなったので
前職での社会人生活を振り返って行きたいと思います。
ではさようなら。
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