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音楽は自由にする / 坂本龍一

タイトル:音楽は自由にする
アーティスト名:坂本龍一
出版社:‎ 新潮社
リリース日:2023/4/19
レビュー
 坂本龍一の半生を振り返った自伝の第1作。デビューしてから2000年代前半までの人生を語っている。私は、本当か嘘かは知らないが教授の悪い面の噂や記事も目にしている。この半生を綴った自伝は教授にとって都合の悪い内容はいっさい触れていない。教授も人間だったんだなって逆に安心した。誰だって自分のカッコ悪いところや失敗はみたくないし、語りたくない。
 だから坂本龍一の最も悪名高い時期、「ビューティー」、「ハートビート」、「スウィートリベンジ」「スムーチー」あたりは全力で無視。あの時期の教授を知っている人がみな坂本教授の政治的発言にたいし「お前が言うな!」といいたかっただろう。「ジャージ着ているやつはこの世の汚れ」といってる人が下駄にきたない長髪、ジーンズだったのを高橋幸宏さんに助けてもらったのをめっちゃ忘れている。こういう奇人さが教授の才能なのかもしれないが。
 坂本龍一は「音楽に言葉を乗せるのはナチス」というが、政治的発言を音楽以外でいうのもアーティストとしてどうなの?音楽家なら手紙じゃなく音楽で語れよって思わなくもない。そういうところも奇人。
 海外で通用したから天才って安易に思う必要はない。坂本龍一はアカデミックな教育を受けたゆえに西洋音楽の牢獄から抜け出そうと必死だっただけだ。本質はロックスターもはなく、現代音楽家だっただけだと思う。
 世界にはもっとたくさん音楽の偉人がいる。日本には坂本龍一と肩を並べられるのは、数人しかいない。

#書籍
#坂本龍一

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