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「令和の就活ヘア」なんたらに思うこと


9月も末というのに、Tシャツがちょうど良い季節。


昼下がり、大学や出版社で混み合っている東京界隈でバイトを終え、友人との待ち合わせに向かおうと駅に向かっていたら、前にリクルートスーツを着た女子の集団がいた。


顔色が明るく、わちゃわちゃとした感じはきっと、就活にまだまだたくさんの希望と少しの不安が混在しているのだろう、21卒である。


その中の1人は、セミロングでふわりときれいなパーマをかけている。


ヘアゴムでしばった痕がついている。


私は思い出す。この時期から来年の春にかけて、こんなキャンペーンがもてはやされる。


「就活ヘアにもっと自由を」



私も、就活が本格的に始まる3月まで、結構これに賛同していた。いや、今が賛同していないみたいになるが、そうではなく、良いキャンペーンだな、くらいには思っていた。


しかし、いざ就活がはじまってみると、正直な感想はこれである。


「外野がごちゃごちゃ言ってんな」


リクルートスーツを本格的に着出す3月は、説明会の予約合戦のためにフル装備し、朝から2,3件説明会周りをし、帰ってきたらESを書く、ほぼそれが毎日である。


そんな時、


「今日はどんな服装にしようかしら」

「どんな髪型にしようかしら」

「どんな髪だったら面接官に喜んでもらえるかしら」


などと考えている場合ではない。決まった髪型、決まった服装、靴、というのは、実際就活が始まってみると、意外と助かるものであった。久々に高校時代に戻ったような気分だった。


「自分らしさ」を表現するのはESとまあ面接の内容くらいで十分である。そこに頭を使いたい。


そのようなことをこの前友人と話していたら、


「私たちのような学生はきっとP&〇はお呼びではないのよ」

と言われた。


その通りである。


それは良いとして、就活生のみんながみんな服装や髪型を自由にしてほしいわけではない、ということを知っておいて欲しいのである。もちろん、自由にしてほしいという人がいることも。



それにしても、リクルートスーツが放つ「就活生オーラ」はすごいな、と思ったバイト帰りだった。


おわり



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