玉砕の美学 10

2024年3月2週

貯金馬の説明をちゃんとしておこう。単純に狙い馬と判断してもらえれば問題はないのだが、貯金馬はネーミングからして崇高なのである。自分で言うのもあれではあるが、誰も言ってくれないのだから、仕方ない。

貯金馬は、貯金なのだ。それは安心してお金を預けられるという意味である。銀行の閉まっている週末に、お金を預けるのだから、安心と安全と信頼が不可欠である。貯金馬は理想の預金先と言っていい。

だから、走ってくれなければ困るのだが、そんなに上手くはいかない。貯金馬がちゃんと貯金馬をしていたら、私はとっくに大金持ちである。貯金馬は崩れるのだ。それも何度も何度も…おかしいなぁ?過去の私はこの馬の何に期待したのだろうか?というレースが続き、やがて貯金馬はお金を返してくれないと困る馬になるのだ。おかしいなぁ?それでも、二重の意味でおいしい。やはり貯金馬は崇高だ。失うお金に尊さを持たせなければ、競馬などやっていられないのである。

そんな貯金馬の中には、もう負債馬では?という領域に到達している馬がいる。その1頭が、土曜中京9Rに出てきた⑩ロングファイナリーだ。メモを見返すと「1023、阪神-04、形はできた、いつかハマるか?」とある。要するに、短距離ダートの追い込みで勝ち負けになる可能性がある…はず…という意味だ。

この1023は日付なのだが、なんと2021年である。もう2年以上前で、21走前である。その間に1度3着があるだけで、20回はハマっていないのだ。私もよく諦めないが、陣営もよく諦めないものだ。走らないのも虚しいが、いなくなってしまう方が悲しい。出てきてくれるのはありがたいのである。

そのロングファイナリー、後方から徐々に追い上げて、直線もジリジリと伸びてきた。3着はあるぞ!いや、ないか…ありそう、あって!の祈りが通じたのか、何と差し切って勝ってしまった。それも○の④タイキエクセロンを2着に連れてきたくれたのである。その馬連が3,470円、三連複が9,450円、2年20走を踏まえると、もう少しな気もするが、換金できたのは嬉しい。翌日、他の貯金馬でその利益をほとんど吐き出してしまったが、今週は楽しかった。よく眠れるはずが、すんごい頭痛に苦しむのである。何故なのか…

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