玉砕の美学 12

2024年3月4週

高松宮記念、いよいよGⅠレースである。その前に1文字も触れなかったGⅠがあっただろ?とは思うが、細かいことを気にしてはいけない。

最上級条件ともなると、貯金馬とは違った長期的な展望ができる。今回も年明けから買いたいと思っていた馬がいる。メイケイエールだ。色々と話題を欠かない馬ではあるが、馬柱屋さんの私からすると狙いだけならピンポイントに絞れる。この馬の狙いは「左回りの高速馬場」である。そこだけに絞ると単純な馬なのだ。

今年は京都の改修が終わって、年明けの中京開催が無かった。ここ2年酷使された馬場と違って、例年通りのスケジュールで開催される。この暖冬で、春の訪れも早いはずで、1分6秒台の高速決着になってもおかしくない。超抜のパフォーマンスだったセントウルSの再現が期待できる。

そう考えていたのだが、中京の馬場は開幕週からそれほど早くなく、2週目でやや早くなったものの、ここに来ての寒の戻りで春が遠く、今週は雨が直撃して、高速馬場とは?という道悪の競馬になってしまった。最適条件にGⅠレースがあるというのは恵まれていると思うのだが、その先まで恵まれないと厳しい。難しいなぁ。何だかなぁ~と思うである。

こういう時、初志貫徹で買うか?別の狙いに変更するか?人それぞれだとは思うが、私は変えてしまうことが多い。今回のメイケイエールは無印にした。そこまで印を落とさなくてもという失敗は何度も経験しているが、ピンポイントの狙いがズレたのだから、軽視するのが筋だとは思う。

変更した◎はナムラクレア、この馬は馬場不問、何なら枠も展開も不問で、頼りになる馬だ。○はシャンパンカラー、超ハイペースで突っ込んでこないか?という狙いだが、ほぼ願望に等しい。かつて大穴を出したペールギュントのイメージだが、狙って当てられるなら苦労はしないのである。

レースは内からマッドクールが抜け出して、同じく内からナムラクレアが差してきた。馬連は◎○しか買っていなかったが、軸1頭の三連複にマッドクールは入っている。問題は逃げて3番手で粘っているビクターザウィナーだ。この香港馬を私は1枚も買っていないのである。

さぞ「歩け!」と叫んだと思われそうだが、歩けとは叫ばなかった。何故ならその後ろにいたウインカーネリアンも買っていないからだ。こういう時、歩け!は無力なのである。では、何と叫ぶか?答えは「何か来い!」である。助けてぇ~に近い悲痛な叫びだ。

私のHELPに唯一応じてくれそうだったのがロータスランドだったのだが、それでも脚色が苦しい。これは無理だなぁ~と思いながら1,2着の攻防を眺めていた。志を捨てて、当りの軸馬に変更しても馬券は外れる。難しいなぁ。何だかなぁ~。


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