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エモすぎるライフハック「定点観測」のすすめ

みなさん、エモは好きですか?
僕は大好きです。

どのくらい好きかと言うと、海辺で、「サスペンスドラマごっこやろうぜ!」ってなった時に、死体役として、ダイイングメッセージで「エモ」と書くくらいには好きです。

撮影地:キューバ

さて、今回のnoteでは、生粋の"エモがり"の僕が実践している"エモライフハック"のひとつである「定点観測」の素晴らしさをみなさんにお伝えしたいと思います。

定点観測とは

言葉の意味としては、みなさんご存知の通り、ある同じ場所から対象物を継続的に観測して変化を見る というものです。

ほいで、僕が実践している「定点観測」がどんなものかといいますと、「ある風景を同じ構図で継続的に写真で記録し続ける」という活動を指します。

定点観測の例①近所の空き地編

具体的な例を出します。
こちらは、近所にある空き地の様子を8ヶ月ほど定点で撮り続けた記録です。

①2017年6月下旬

出勤時に「近所の空き地の雑草の生え方がヤバい!」と気づき、なんとなく撮った一枚。
この頃は長い付き合いになるだなんて思いもしていなかった。
来る夏に備えて、JUDY AND MARYの「くじら12号」と「ラッキープール」ばかり聴いていたと思います。
買いたてのiPhone7でm「予感」を胸に、シャッターを切りました。

②2017年7月上旬

アスファルトから生えてる雑草が気持ちボリューミーになってるのがお分かりいただけるでしょうか。
まだ、セミは鳴いていなくて、台風が来る前だったので、雲がすごい速さで流れていました。

③2017年7月下旬

手前のの雑草が完全にロン毛モードに入ったのと、柵の内側の雑草群が「プチャヘンザップ✋」と言わんばかりに天に向けて葉を伸ばしてるのがわかります。梅雨明けタイミングで急成長したと思われます。
伸びた葉からは、故郷を思わせる青臭い匂いがして、視覚だけでなく嗅覚からも、夏の到来を味わうことができました。

④2017年8月上旬

夏まっしぐら。さらなる進化を遂げた空き地は完全にジャングルになってしまいました。
中にクリーチャーがいて、近所の猫とか食べていそうな超環境に進化。
しかし僕はいつからか、雨が降れば葉を伸ばし、40度近い気温をもろともせず成長し続ける、少年漫画の主人公のような雑草の姿に惹かれていました。

「やってるかい?」
「やってるよ。」

空き地の前を通る人間と、空き地に生える雑草。
二人の間には明確な「日々の対話」があり、草と人間の奇妙な友情がありました。

しかし、そんな時間も長くは続きませんでした。

⑤2018年8月下旬

真夏のピークが去ったころ、空き地の雑草が刈り取られているのを発見しました。
クリーチャーが潜んでそうなジャングルを見かねた神様(地主)が、裁きを与えたようです。
「またひとつ夏が終わる」。
イヤホンから流れるスピッツ。耳の裏に垂れる汗ひとつ。

⑥2018年9月上旬

9月の頭、クリーチャージャングルは完全にただの空き地へと姿を変えてました。
クリーチャーなんてどこにもいなかった。
ただ青いだけの草とボソボソ草に話しかけるだけの薄気味悪いアラサー男性がいただけだった。
夢と現界の反復横跳び、絵に描いたような夏の終わり。
残る切なさ、意味は何。

話はもう少しだけ続きます。

⑦2018年1月

時間は流れて季節は冬に。
空き地の草が刈り取られてからは、なんだか前を通る気持ちになれなくて、別のルートを通って出勤していたのですが、この日はなんとなく空き地前を通って行くことに。

茶色ではなく、一面純白で彩られた空き地の姿には言葉を失いました。

昔好きだった子が転校して、10数年後のある日、結婚式の招待状が届いて、式に参加して見たウエディングドレス姿が綺麗すぎて、なんだか笑えてくる 的な。
あー、僕は雑草に恋をしていたんだなーと。
この日帰って飲んだ発泡酒はビールの味がしました。乾杯。
ありがとう、草。

⑧2018年4月

そして春を迎えた4月、この空き地は駐車場へと姿を変えました。
オープン当初から多くの人が駐車場を利用しているようで、常に満車の状態が続いています。
どうか、これからも街のみんなに愛される駐車場でいてください。

以上が近所の空き地を8ヶ月間、定点観測し続けた話です。
思い出すと、今でも謎に切なくなり、即Spotifyをオープンし、「若者のすべて」を流したくなるエピソードです。

定点観測の魅力

定点観測の魅力は、ひとことで言えば「街に愛着が湧く」こと。これに尽きます。

僕がもともと定点観測を始めたのは、就職のため、東京に引っ越してきたのがきっかけでした。

初めての社会人、知らない街。

大きな希望を抱いて東京に出てきたので、
「いつか未来の自分が悩んだ時、背中を押せるように、その時見ていた風景をしっかりと記録しておこう。そしてちゃんと新しい街のことを好きになれるようにしよう。」
と思い、なんとなく部屋の窓から見えるスカイツリーを定点で撮り続けていました。

雨の日も雪の日も、朝焼けも夕焼けも、怒られた日も笑った日も泣いた日も、曇り空も時々見えた星空も、全部同じ角度で想いにふけりながら定点で観測し続けました。

働く中で何度も孤独感を覚えることもありましたが、窓を覗けば大好きな風景が広がっていて、いつからか「街が背中を寄り添ってくれている感覚」に陥るようになりました。

少し話は逸れますが、以前、「君の名は。」で有名な映画監督 新海誠さんの展示に行った時に、秒速5センチメートルのパンフレットにこのような文章が書かれていたことを知りました。
新海誠さんは、美しい風景の作画に注力する理由として以下のように語っていました。


「人はどうしようもなく伝わらなくて悲しい時でも、風景の美しさで救われることがあると思う」
「そんな悲しい思いを抱えた姿を一歩引いて俯瞰して見れば、美しい風景に包まれている」

彼ほどの感度の高さや繊細さは僕にはありませんが、大枠で見ると似たような感覚だったのかもしれません。

言い切るのも何だか変な感じですが、風景が寄り添ってくれたおかげで乗り越えられた壁も多くあったのかなぁと思っています。

今は住む街も、環境も大きく変わりましたが、あの時撮った写真を時々見返しては、少しだけ勇気をもらっています。

部屋から見たスカイツリー

別の窓から撮った風景

まとめ

2014年にアカウントを作ったのにテスト投稿以外何も更新してなかったので、とりあえず趣味兼ライフハックについて書いてみました。

前半はおちゃらけてたんですけど、途中から濃いめの酒を入れてしまったことで、なぜかしめっぽいエモ話になってしまい、焦っています。

みなさんもよかったら、毎日の何気ない風景を定点観測してみてください。そして、よかったらその風景を僕にも見せてください。

ハッシュタグは #定点観測 とかですかね?

ちょっと恥ずかしいので、最後に道端に落ちたバナナを定点観測したときの写真を載せてさよならします!

アディオス!

締まりの悪いおまけ:バナナの定点観測

2015年11月16日

帰り道にバナナが落ちてた。
今週も、がんばりましょう。
#バナナと生きる
#バナナの定点観測

2015年11月17日

今日も一日、お疲れさまでした。
今日もバナナは、そこにありました。
#バナナと生きる
#バナナの定点観測

2015年11月18日

今日も一日、お疲れさまでした。
皮の数は減ったけど、彼はまだ、そこにいました。
今日も今日とて、#バナナと生きる 。
#バナナの定点観測

2015年11月21日

今週もお疲れ様でした。
まだ、ありました。
まだまだ、ありました。
#バナナと生きる
#バナナの定点観測

2015年11月24日

今日も一日、お疲れさまでした。
バナナがなくなって、思い出が生まれました。
秋が終わって、冬がはじまりました。
#バナナの定点観測
これからもずっと、#バナナと生きる 。


以上。

そしゃ(故郷の言葉で「それじゃあ」の意)


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