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音楽配信サービスのプレイリストシェア文化が根付いてほしい話

何かの映画で「14歳の頃に聴いていた音楽は生涯に渡ってその人の人生に影響を与え続ける」という話があった。

↓似たような記事

名は体を表し、聴いてきた音楽はその人の世界観を形作る。
14歳の頃にWOWOWの無料音楽チャンネル枠で「車輪の唄」のPVを見てバンプにハマってからというものの、それはもうバンプっぽい性格になってしまった。
なんでもない日ほど記念日になればいいと思ってしまうし、ラフメイカーは冗談じゃないし、ランラーラーラーラーと問われたらヘイヘイヘーイと両腕を振って返す。寄せては返す。

本題に移る。

SpotifyやAppleMusicなどのサブスク型音楽配信サービスが生活に溶け込んでからしばらくの季節が流れた。

音楽配信サービス、ひと昔前までは一部のかつてMyspaceをポチポチしてた、SoundCloudとかShazamで音楽をDigる南東京のお兄ちゃん層だけが使ってるイメージがあったが、今では飛騨の山奥に住んでる僕のお母ちゃんのまな板みたいなポンコツアンドロイドにだってインストールされてる。
そして車でマッキーのベストと平井堅のオルゴールを聴いている。
眼科の待合室を感じる。

もう一回本題に移る。

音楽配信サービスのプレイリストシェア文化が根付いてほしい

音楽配信サービスにはプレイリストを作成する機能がデフォルトでついている。
自分だけで楽しむのもいいけど、MDに好きな曲を詰め合わせて交換し合ったあの頃のように、プレイリストをみんなでシェアしていく文化がもっと広く根付かんかなーと思っている。

理由は2つ。

①アルゴリズムの世界では難しいDIGりの実現

②毛づくろい的SNS上での相互理解の促進

…文字面だけ見ると本当に何言ってるかわからないけど、説明いたしやす。

①アルゴリズムの世界では難しいDIGりの実現

誰もが心のどこかに新しい音楽に触れたいというDIGり心を抱きながら生活をしているという前提で話をする。

2019年現在、音楽との出会い方について考えてみると、テレビやラジオ以上に再生メディア(音楽配信サービス、YouTube、Amazonとか)のサジェスト(おすすめ機能)による影響が大きいのではないかと思う。

アルゴリズムがどんどん進化して、「ナンバガ好きならスーパーカー好きやろ?」てな具合におすすめしてくる機能はどんどん精度が上がっているように感じる。

しかし、(現状の)アルゴリズムありきだと、自分の好きな曲とその周辺ジャンルの音楽にどうしても偏りがちになるなーと感じることが多い。
邦楽ロックを聴いたらほぼほぼ似たような邦楽ロックが流れる。間違ってないけど、面白くない。

かと言って、シガー・ロスをランダム再生している時におもむろに演歌に切り替わって、森進一の「おふくろさん」が流れ出したら、僕ならアプリを上スワイプすると思う。(例え話です)

つまり、機械的なサジェストだと好きな領域の延長になりがちだし、アプリにおもむろに異ジャンルの楽曲を提案されてもスルーしちゃう可能性が高いということだ。悩ましい。ギブミーセレンディピティ。

そこで、新しい音楽と出会う時のチャネルとしてやっぱり精度が高いのは人による紹介だと思う。

アプリによる機械的な提案だったらスルーしているかもしれないが、もし、自分の尊敬するイケてる先輩が「森進一のおふくろさん、マジで名曲だから。アウトロのベースラインエグいし、歌詞も悲哀がヤバいから。収録アルバムの7曲目の「ひとり酒場で」もすごいからアルバムごと聴いてみ。」なんて言ってきたら、森進一のファンになる角度はだいぶ上がるのではないか。(先輩の語彙力よ)

森進一から派生してサブちゃんや五木ひろしを始めとした演歌の世界にどっぷりハマる可能性だってあるんじゃないだろうか。なんなら息子のtakaがいるONE OK ROCKのこともさらに好きになるのではなかろうか。昌子だってそうだ。

このように、好きな人が好きって言っている音楽であれば、知らないジャンルであっても聴いてみるきっかけになると思う。
ビジネス領域における異業種人材のリファラル採用や、Rettyでイケてる人をフォローして全然知らないエリアのお店を開拓するようなものだ。

紹介による信頼性×紹介による新規性=価値あるDIGり(新規ジャンルの開拓) 

という公式を考えてみた。

長くなったけど、より人から気軽におすすめの音楽を紹介してもらう仕組みとして、プレイリストを作ってはSNSでシェアする文化がもっと根付けばいいのになーと思っている。

②毛づくろい的SNS上での相互理解の促進

続いて、SNSでプレイリストをシェアする文化が根付いて欲しい理由の2つ目として「毛づくろい的SNS上での相互理解の促進」を挙げたい。

最近はSNSを通じて知らない人と友達になることも当たり前になってきた。そこでより深くお互いを知るためのツールとして音楽のプレイリストの共有はかなり有効なのではないかと考える。

音楽の趣味というのはその人を形作ってきた”癖(へき)”=イズムが如実に表れる。自分で作るプレイリストならなおさらだ。

オリジナルのMDを作って贈り合っていた古き良き時代のように、自分のイズムエモ所(エモどころ)を結集させたお手製のプレイリストを共有し合う文化が浸透したら、(例えはアレだが)まるで猿が毛づくろいをするようにお互いのことを深く知ることができるようになるのではないだろうか。

100回セコセコリプライを交わすより、その人の人生のベストテンの音楽を聴く方が手っ取り早く人となりを理解できるのではないかとすら思うし、良い会話のきっかけになるのではないかとも思う。

以上が音楽配信サービスにおけるプレイリスト公開文化が根付いて欲しい理由である。

SpotifyのSNSシェア推進のための取り組み

ここで、音楽配信サービスのプラットフォーム側においても、プレイリスト機能の使用推進や、ソーシャル化の流れはあるのではないかという話をしたい。

①プレイリスト機能の使用推進の動き

僕はSpotify課金ユーザーなのだけど、年末シーズン、彼らは「My トップソング 2018」というその人が特にその年特に聴いていた曲を、自動でキュレーションしてプレイリスト化してくれる取り組みを実施していた。

見ての通り僕は邦楽のギターロックが好きなのでその辺りが固まりがちなのだけど、キュレーションの精度としてはなかなか高いと思う。
ユーミンが音楽配信解禁される前に一時期かなり聴いていたスーザン・ボイルの「ひこうき雲」のカバーもちゃっかり入っている。

”ひこうき雲〜Vapor Trail〜”。
〜Vapor Trail〜ってなんなんだ。

このように、Spotifyとしてもプレイリスト機能の使用を促進するための取り組みに注力しているのではないかと思う。
年末はこのプレイリストを音楽好きの人を中心にTwitter上でシェアする動きもちょこちょこ見られて、とても楽しかった。

②SNSシェア促進の動き

Spotifyでは2018年の下旬くらいからアプリ上でスクリーンショットを撮ると、SNSでのシェアを促すようなメッセージが表示されるようになった。
(画像参照)
このメッセージ実装後、よりカジュアルにその時聴いている曲をインスタストーリーズにアップする人が増えたように思う。

そしてアップした音楽アプリスクショのストーリーズをリスト化してプロフィールに固定し、自身のイズムを伝えようとしている人もちょこちょこ見る。ただの淡め画像加工アプリだった立ち上がり期のインスタとは大違い。ぬるりと新たな文化が生まれる媒体となっている。

このように、サブスク型音楽配信サービスの浸透に伴って、更に音楽を切り口にコミュニケーションを楽しめる機会が増えてきているのは嬉しいことだなーと思う。

さぁ、みんなもプレイリスト作ってシェアしようぜ。秘蔵っ子を見せてくれ!

さいごに

音楽配信サービス×SNSみたいな話を考えていくと、なぜSpotifyはソーシャル機能を実装しないのかとか、音楽を切り口にしたSNSはなぜないのかとかそういった点についても考えたくなる。

自分なりの考察や今後はこうなるんじゃね?みたいな話を途中まで書いてたんだけど、今回の主題とズレるのと、かなりの文量になると思ったので、いったんここまでにしたいと思う。続きは気が向いた時にでも。

ついでに僕のSpotifyのプレイリストもここに置いておく。まあパンツ姿を見られる程度には恥ずかしいけど、ええじゃないか。

たとえ楽器ができなくても、歌うのが下手でも、多くの人の日常の中には思い出とリンクする音楽があって、みんなこうやってDJみたいにあるコンセプトのもと好きな曲をどんどんまとめて名前をつけて発信したら、もっとエモい世の中になるんじゃないかなー、なんつって。

↑これが言いたかった。

以下、プレイリストです。

プレイリスト「イントロ最高すぎワロタ」


イントロが最高すぎて笑っちゃうタイプの曲をまとめました。

プレイリスト「東京」


「東京」と名のつく名曲たちをまとめてみました。


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