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お初天神裏参道・ウラサンのために書いた小説<2>

この度、お初天神裏参道、ウラサンのパンフレット内に小説を掲載させていただくことになりました。

物語や文字数の都合で、掲載できないものの、一つの物語としてカタチになたものがいくつかあるので、せっかくなので読んでいただけると嬉しいです。

今回はその第二弾です。
少し趣向を変えて。

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ウラサン刑事

俺は、ウラサン刑事。
今日もウラサンに纏わる事件を日々解決してるぜ。

「刑事!大変です!たいへんですー!」

大げさな足音と大胆にドアを開ける音とともに、新米のウオイが飛び込んできた。

「どうした!?」
「あ、あ、あの怪盗ウラサンから挑戦状が届きました!」
「あの怪盗ウラサンから!?」
「はい!あの、怪盗ウラサンから!」
「おいおい、まじかよ。刑事人生20年。そんな名前、初めて聞いたぞ!!」
「僕も初めて聞きました。なんか有名なんかなー、思ってましたけど」
「こ、このゆとり世代めー!」

そんなやりとりの中、ゆとり刑事ウオイの手には一通の手紙が握られていた。

「まあいい!とにかくその挑戦状を読んでみろ!」
「は、はい!」

【挑戦状】
フハ フハハ フハハハハ!
ごきげんよう!あのね、怪盗ウラサンだよ!


「待て待て、お前それ、笑い声の部分も書いてあるんだよね?」
「はい、筆ペンですよ。すごい達筆」
「妙に笑い声の部分、感情入ってるな」
「僕、学生の頃から音読には自信あるんで」
「いたよね、そういうやつクラスに一人はいたよねー。あと、ちょっと芦田愛菜ちゃんみたいだけども」
「それは少し意識しました」

そして、ウオイはもう一度挑戦状を読み始めた。

【挑戦状】
フハ フハハ フハハハハ!
ごきげんよう!あのね、怪盗ウラサ・・・


「いや、もう最初からじゃなくていいから!」
「でも、気持ち入らなくないですか?途中からだと」
「いいの!気持ちとかいいの!」

ウオイは少ししょげた様子で改めて挑戦状を読み始めた。

季節も代わり体調を崩しやすい季節、いかがお過ごしかな?
この時期に無理をすると、風邪引いちゃうから気を付けるんだぞ。
あ、あとこんな時期たまには実家に連絡するんだぞ。
ご両親も口には出さないけど気にしてるんだから。


「え、これ挑戦状だよね?」
「そう書いてあるんですけどねえ」
「いいやつじゃん。なんか家族思いじゃん」

さてさて、そんな季節に申し訳ないが
怪盗スタンピートは今週末
ウラサンのある店舗が持つお宝をいただくことにした!
構ってもらえないのも寂しいので、ヒントを少しだけあげよう!


「あ、ここから本題ですね」

ながはまのそらに陽がのぼる時
たゆたう池には亀が八匹
海のミルクは鐡色に輝き
空ではAGEHAが舞い踊る

気付けば街ではどんちゃん騒ぎ
店の大小関係なし
小さなカウンターを舞台に肉や寿司らが踊り出す

気付けばマリアもジャムセッション
続きは二次会、もちろんカラオケ

そんな宴の騒ぎのなかで
オーブを纏ったお宝ひとつ
オイラはチョイといただく

気付く頃にはあとの祭さ
瞳に映るはハイライト

というわけで、よろしくー!

2019年5月
怪盗ウラサンより♡


「なんだこれ?」
「なんすかね?」
「なーんか、どっかで聞いたことのあるような言葉が散りばめられているような」
「なーんか、お店の名前みたいのが散りばめられているような」
「しかし、少し物足りないような気がするのは気のせいか?」
「んー、もしかして、その物足りない部分にお宝が隠れているんでしょうか」


一体、怪盗ウラサンが狙うお宝の在処とは!
どの店へ彼は忍び込むのだろうか!!


※ヒント:2019年5月時点でOPENしているお店をチェックしてみよう☆


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物語の趣向を変えて書いてみた作品です。

怪盗の挑戦状の中には店舗名やそれに繋がるヒントが。
それを一つずつ確認していくと、2019年5月時点で1店舗だけ挑戦状に書かれていない店舗が浮き上がる、という内容にしてみました。その店舗名も、非常に「怪盗」らしい名前のものを選んでみたり。

実際に掲載されたものとは、また違う形で楽しんでいただけると嬉しいです。

いただいたサポートは取材や今後の作品のために使いたいと思います。あと、フラペチーノが飲みたいです。