第3回:髙橋あやな「せっかく触れてもらうなら、刺す殴るぐらいのものをつくりたい。」
2019/10/2(水)配信
エンタメ調査室は、毎週水曜日更新のポッドキャスト番組です。ゲーム、音楽、スポーツ、アニメなどエンタメ業界で活躍する方々をゲストにお招きして様々なお話をお伺いします。
パーソナリティ:大木康平(@Unaggy)
制作・執筆:藥師神豪祐(@hell_moot)
ゲスト:髙橋あやなさん(@tkhs_ayana) / ナレーター
試行錯誤が世界を拓く
今回のエンタメ調査室は、ナレーターとして生きる髙橋さんが打つ誠実な一手一手をお伺いする貴重な機会となりました。
事務所に所属しない道を選び、特別なコネクションなどに頼ることもない髙橋さんは、詩集をZINEとして販売したり、川柳の展示会を行い、また、ミスiD2019で審査員個人賞を受賞するなどして世界を広げる試みを行ってきました。
髙橋さんの来歴を聴くと、世界中でヒットする話題の本『サードドア―精神的資産のふやし方』を想起する方も多いかもしれません。この本は、何者でもなかった人が成功を掴むために行った試行錯誤について書かれた本です。
行列のできる正面入口(ファーストドア)や選ばれたVIP用の入口(セカンドドア)ではなくサードドアを探すことは、自分の限られた命に対する誠実な振る舞いであるようにも思われます。
限られた「命」の儚さややがて死んでしまうことについての虚しさを語るのも、成功者の共通点であるかもしれません。髙橋さんも今回、死にまつわる感慨が自分のマインドの変化をもたらしたことを語っています。
特別なコネクションがないからといって、諦めて漫然と正面入口でドアが開くのをいつまでも待つことなく、髙橋さんは誠実に一手一手を打ち世界を広げてきました。番組を聴くみなさんも、だれも教えてくれないドアを開けるべく、今すぐ行列から外れ裏道を駆け抜けたくなるかもしれません。
価値提供の対価
価値提供を行う。提供した価値の評価として対価を受け取る。あらゆる取引がそのような仕組みで成り立っています。
髙橋さんは、自らが提供する価値と、ファンなどの価値の提供先が支払う対価(金銭。そして時間。)に対する誠実な考えを教えてくれます。この番組をお聴きになる「エンタメ領域で働く起業家、個人事業主、スモールチーム」の方々にとって、とても響く話ではないでしょうか。
提供価値と対価の均衡について、正解を導くことは難しいかもしれません。しかし、受け取る報酬が「提供価値の対価」であることに自覚的であることは、世界を拓くための必須の条件といえるでしょう。
領域をはみ出す
髙橋さんは、ナレーターとして生きながら他の領域にはみ出すことに対する躊躇についても教えてくれました。
副業が推奨されたり(副業は競合他社では行えないことが多いため、領域をはみ出すケースが多いです。)プロサッカー選手が本業に支障なくYouTuberとして活動したりするなど、領域をはみ出していく振る舞いは自然なものとなりつつあります。100分の1を二つ掛け合わせて10,000分の1の人材になろうという発想も一般化しつつあります。
他の領域にはみ出すことが、元々あった軸に良い影響を与え、その人の代替不能性を高めていく。これもまた「エンタメ領域で働く起業家、個人事業主、スモールチーム」が共通して持つべき生存戦略といえるでしょう。
今回気付かされたことは、ただ流行りに流されこの100分の1の掛け合わせを漫然と行うのではなく、「領域をはみ出すことへの躊躇」を持つ誠実さこそが、その人の代替不能性を高めていくのではないかという点です。詳しくはぜひSpotifyでご確認ください。
副業や掛け合わせがバズワードとなりつつありますが、やがてこの現象にもバックラッシュが起こり、プロパーで特定の領域に専従してきた人たちの価値が見直されることになるかもしれません。しかし、たとえそうなったとしても、「領域をはみ出すことへの躊躇」を持つ人は本物として残るはずです。
これからも進み続ける髙橋さんに注目していきたいです。
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