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普通免許、運転したい―50代のオジサン運転人生、免許をいろいろとってみた#2

第1章 ドライバーの仲間入り

 普通免許を取ったのは大学3年生の時。22歳。
 家の近くの教習所に通いました。

 その頃は、教官が威張っているのが普通でした。その教習所はその後問題が発生し、閉所になりました。しばらくして行ってみたら、教習コースはそのまま残っていましたが、草ボウボウでした。

 噂ですが、教官のあまりの横暴さに怒った教習生が、車を停め、教官を引きずり下ろし、その件が裁判沙汰になったということでした。

 当時は運転免許といえばマニュアルです。仮免許の検定に1度落ち、卒検に1度落ちました。

 それでも合格し、晴れてドライバーの仲間入り。
 運転したくてたまりませんでした。

人生最初の事故

 レンタカーを借りて、友だちと2人でドライブに出かけました。

 日光に行った帰り、日光宇都宮道路から東北自動車道上り線に合流するカーブでの出来事。

 ダッシュボードの上に置いていたいろいろなものが、カーブの遠心力で崩れかかりました。運転しながら、咄嗟に左手を伸ばし、崩れるのを抑えようとしました。

 そこでハンドル操作を誤り、ガードレールに激突、前照灯が壊れました。

 事故証明をもらうために、車を路肩に停めて、インターチェンジの事務所に歩いて行きました。車だと数十秒くらいの距離でも、歩くと大変です。

 警察を呼んでくれるようにお願いして、ハアハアいいながら現場に戻ったら、パトカーはすでに到着。現場検証が始まっていました。スポーツカータイプのパトカーで、おそらく高速警備隊だと思います。

 もう一台、日本道路公団の車も来ていました。ガードレールの凹んだ部分を見て、「これくらいならいいですよ」と言っていただきました。

 おまわりさんから、「とりあえずここだとまずいので、この先にパーキングエリアがあるから、そこまで自走してください」と言われました。

 写真を取るなど、いくつかのことを終えて、レンタカー屋さんに車を返しに行きました。

 壊れた車の修理代は免責で、結局1円も取られませんでした。自分で修理代を払わずに済み、結局事故扱いにならず。それからしばらく、書類上は無事故・無違反でした。

 当たり前のことですが、車はぶつかるのだということを学びました。心のどこかで、オレの運転する車はぶつかることなどないと、世間を舐めていたようなところがありました。

人生最初の愛車

 マイカーを購入。

 知り合いに頼み、「こんなんでどう?」と持ってきてくれたのが、2ドアのスバル・レオーネ。

 車両価格が7万円、込み込みで16万円

くらいでした。

 このレオーネがポンコツ。

 エンジンのリングが摩耗していてエンジンオイルが燃焼室に入りこむらしく、それが燃えて、黒い排気ガスを出しながら走っていました。

 当然、エンジンオイルが減ってきます。エンジンオイルをつぎ足しつぎ足ししながら、乗っていました。

 それでも嬉しくて、乗り回しました。遠距離のドライブにも行きました。

ドライビング・テクニック

 その頃、ドライビング・テクニックにはまり込みました。ダブル・クラッチとヒール・アンド・トーを何度も練習しました。

 F1レーサーなどが、コーナーに突っ込んで行く直前に制動をかけながらシフトダウンする方法です。コーナーを抜けた時点ですでにシフトダウンが完了し、すぐに加速できます。

ダブル・クラッチ

 ダブル・クラッチはこうです。

 左足でクラッチを踏み、右足のアクセルを戻す。

 すぐにギアをニュートラルに戻します。

 そこで1度、左足のクラッチを戻しながら、アクセルを「ブーン」と、いわゆる「空ぶかし」を入れます。

 次に、もう一度クラッチを踏み、一段下のギアに入れて、アクセルをやや多めに踏んでクラッチをつなぎます。

 これをテンポ良くやります。

 そうすると、

 「ブーン、ブーン」

と2度「格好いい」エンジン音がして、シフトダウンできます。

ヒール・アンド・トー

 ヒール・アンド・トーは、それを一気にやります。

 まず右足のつま先でブレーキをグッと踏みます。

 左足でクラッチを踏み、シフトダウンしてクラッチをつなぎます。

 そのとき、右足のつま先でブレーキを踏みこんだまま、右足のかかとでアクセルを踏みます。

 見た目は、右足が内側に捻られる形になります。

 レーサーが通常使っているシフトダウンの方法です。

 コーナー直前で「ブーン」といいながらシフトダウンします。

 こんなことを、「どこに出しても恥ずかしい」レオーネでやっていました。

アルバイト代がガソリンになって消えた

 大学生のときは塾の講師のアルバイトをしていました。月4万5千円くらいもらっていたと思います。そのほとんどがガソリン代で消えました。

 山男に、「どうして山に登るのですか?」と聞くと、

 「山があるから」

と答えが返ってきます。

 「どうして車に乗るの?」と聞かれれば、

 「車があるから」

そんな感じでした。

 大学生活を終えるとき、最初の愛車レオーネとは、おさらばすることになりました。

 続く ―次回は、アメリカでのスピード違反の話しをします。


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