※この記事は、宅録ナレーターさん向けです。

自己紹介

皆様お疲れ様です、私の自己紹介は以下になります。

サウンドデザイナーを約30年しておりまして、作曲や効果音、レコーディングやミックスをしております。ポストプロダクションにも10年在籍しておりました。経歴はラジオやテレビから始まり、コマーシャル、映画、音楽ライブミックス、音楽配信ミックス等をしております。CMやMVなどは数えきれない程納品してきております。

最近公開されている作品は以下にアップされております。公開が終わるとYouTubeから削除されてしまう作品も多いので、数が少なくてすみません。詳細が知りたい方はメッセージください、作品集が纏まっております。

アーティストさんは、沢山お手伝いさせて頂いておりますが、一番著名な方はハービーハンコックでしょうか。以前レコーディングとミックスを担当させて頂き、5.1chにて納品させて頂きました。

宅録ナレーション、最低限の質

今迄、沢山の歌や楽器、ナレーションやセリフを録音や、リモート録音してきました。「最高のレベルの質」「平均値の質」「納品に耐えられる最低限の質」というのを、感覚で持っております。
質とは、音響的な質と、表現の質がありますが、本日は前者の音響的な質をテーマに記載させて頂き、さらに今回は宅録ナレーションに話を絞ります

納品メディア

この宅録ナレーション納品で多いメディアは、Web公開されるコマーシャルだと思います。長くて30秒でしょうか。この場合は予算的にも低い場合が多く、経験値から「納品に耐えられる最低限の質」があれば十分だと考えます。この「納品に耐えられる最低限の質」ですが、テレビコマーシャル納品も対応できます。
生放送のニュースや報道番組をヘッドホンやイヤホンで聞くとわかりますが、スタッフの声など多くの雑音が入ってます。この手の生放送は、報道デスクの脇にスタジオが設置されていて、すぐ近くでスタッフが指示出していたり、打ち合わせしてたりします。スタジオとデスクに遮音処理がされてないのです。
でもテレビ見ていて気付きませんよね？。それは視聴者側のテレビスピーカー性能が低いので、再生しきれないのです。
ゴールデンタイムのニュース番組は、専用スタジオを構えている事が一般的なので、このようなノイズは聞く事は難しいですが、一番ノイズが多いのは緊急速報でニュースに切り替わる時ですね、スタジオがザワザワしてるのが聞こえると思います。
テレビとは、そんな状態なので、多少のノイズが入っていても、再生側では聞こえません。なので「納品に耐えられる最低限の質」でも十分という訳です。

「納品に耐えられる最低限の質」とは？

部屋や車等のノイズが少ない音、リップノイズの少ない音、芯のある音です。これらをクリアしていれば、あとはMAエンジニアと言われるプロに任せればどうにかなります。
といっても、録音には高い機材が必要ですよね？と思う方、そうではありません。宅録で高い機材使っている方は、ノイズ処理を自分で行えるか、ノイズが入らないブースを持っているか。のどちらかが多いです。
著名な外人ナレーターさん、海外から宅録したデーターを送って来ますが、スタジオ録音レベルの音を送って来ます。
弊社作品ですと、以下の「ウィルキンソン！」という声がそうです。

宅録に高い機材は必要か？

簡単に言いますと、高いマイクや機材は、原音を忠実に録音できます。なので部屋の残留ノイズや、PCファンノイズ、外の車の環境音までしっかり入ってしまう訳です。
例えば、都内等の騒ついた街で、吸音遮音の音響処理してない部屋を使って、ノイマンU87AIで撮ると、外のノイズもかなり入りますのでその使い方は間違いです。
因みにスタジオの録音ブースは、ただ吸音遮音処理されているだけではありません。残響時間を計算し、倍音を録音出来るように設計と調整がされてます。そのような良い部屋があるので、ノイマンのようなマイクが生きてくるのです。逆に言うと、よい部屋が無ければ高いマイクは必要ない訳です。
以前ポスプロに勤めて居た時、1万円から40万までのマイクを並べて、録音テストをしましたが、マイクから10㎝までは、どのマイクも音が同じ方向でした。逆にマイクから離れた音になると、40万のマイクはよく撮れ、1万のマイクは酷い音質になりました。
という事で、宅録であれば1万のマイクで十分という事です。
テストに使った1万円マイクはこれとRodeです。

高いマイクはノイマンU87AIとSony800G、他にもノイマン数機種でした。

オールインワン機器がある

でも、これらのマイクを買うと高い外部機器も必要になってきます。オーディオインターフェイスとソフトウェアです。そして録音レベル管理も必要です。ところが現代は全てを1つで行える便利なものがあります。
それは、これZoom H2nです。
これさえあれば、ナレーターさんはホテルでも声が撮れます。因みにマイクの質は低いので、遠くの音が入りにくいです。これは部屋の残響ノイズとかが入りにくい事になりますので、マイク近くの音を録音するナレーションには最高な訳です。