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No.854 眠れる巨人の覚醒?

過日、「北極圏の永久凍土が温暖化で解け出している」というドキュメンタリー番組を見ました。北極圏は世界平均の3〜4倍の速さで温暖化の影響が出ているとされ、スウェーデンのアビスコも、1974年に年平均で-0.9度だった気温が、2006年には0.6度と30年で1.5度も上昇したそうです。
 
世界の永久凍土には大気中の2倍の炭素が含まれており、2100年までに有機炭素の15%が温室効果ガスとして放出される心配があるそうです。温室効果の高いメタンとしての放出が増えれば、温暖化は加速する一方です。
 
また、有史以来そびえ立っていた氷山が、温暖化によって解け始め海面に崩落する画像も少しも珍しくなくなりました。数万年をかけて堆積され、氷山に閉じ込められた人間にとって未知の細菌やウイルスが大気中に放出されれば、人体に及ぼす影響は計り知れないものがあります。
 
人類は、空からは温暖化の熱射を受け、地上や水中からは目に見えないウイルスの恐怖と脅威にさらされる時代を迎えようとしているのです。この容易ならざる事態を、世界の首脳たちは手をこまねいて見ているつもりでしょうか?現世利益(国益)ばかりを優先し、後世に守り伝えるべき美しい奇跡の惑星・地球をどうするつもりなのでしょう。
 
8歳の時に地球温暖化のことを知ったというグレタ・トゥーンベリさんは、活動を始めてわずか1年余りの16歳の時に、国連の温暖化サミットに招待されました。
「あなた方が話すことは、お金のことや永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり」
と国連の温暖化対策サミットで各国の代表を強い口調で非難し、早急な温暖化対策を求めました。しかし、温暖化は解決の糸口さえ見えず、深刻な世界共通の問題となっています。
 
2022年11月25日には、トゥーンベリさん(19)を含む600人超の若者らが、スウェーデン政府が適切な気候変動対策を講じていないとして国を集団提訴しています。その驚くべき発想と行動力は、地球温暖化という世界規模の環境問題に一石を投じるだけでなく、解決策の糸口を探ろうと真剣に戦っているように思われます。

凍土や氷山に眠り続けてきた巨人の目を覚まさせる時が近づいている中、闘って奪い取る以外に命が守られ安心した暮らしを手に入れることはできないのでしょうか。私には、裕福な暮らし、便利さ、早さを追求しすぎるあまりに自ら悲劇を招こうとしているとしか思えないのです。
 
地球は、息苦しさに耐えながら生きています。遅きに失すると言われ続けてきた地球温暖化問題の解決策は、手が付けられないところまで来ているのかもしれません。

私は、見識ある世界中の環境問題(地震や気象や火山や海洋ほか)の研究者・科学者がネットワークを作り、地球のために大きな声を上げていただきたい。世界の人々から共感と後押しをうけ、負の連鎖から救っていただきたいと願っています。


※画像は、クリエイター・チェコ好き(和田真里奈)さんの「ペリト・モレノ氷河(アルゼンチン)」の1葉です。屹立する太古の巨人のようです。お礼申し上げます。