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No.883 チョコちゃんやーい!

ペットにも人間と同じような忌日があるのでしょうか?
私は、敬虔なる仏徒とは言えません。それでも、和尚さんの読経こそありませんが、魂の安らかなれと、ペットとの永訣に心からの祈りを捧げる者であります。

昨日は、愛犬チョコ(すぴぃ)の初七日でした。15年と8日で絶命しました。15年と言えば、赤ん坊が中学校3年生になるまでの間です。「日数」に換算すると約5,480日、「時間」を数えれば、13万1,520時間、それを「分」に直せば、789万1,200分にもなります。

何一つとして思い出にならぬことなく、どこを見ても、どこを歩いても、彼女に繋がるものの多さに気づかされます。それだけの時間をかけて互いが慣れ親しみ、喜怒哀楽を繰り返しながらも深い情を育んできました。

さて、どんな忌日があるのだろうと調べたら、次の投な説明がありました。
初顔忌(しょがんき)…初七日。亡くなった日を含めて7日目におこなう法事。
小練忌(しょうれんき)…亡くなって35日目におこなう法事。五七日。
大練忌(だいれんき)…亡くなった日を含む49日目におこなう法事。
卒哭忌(そっこうき)…亡くなった日を含めた100日目におこなう法事。
1周忌…亡くなってからちょうど1年後におこなう法要。
3回忌…2年目の祥月命日。亡くなった年を1とし、翌々年を3回と数える。
 
チョコが昇天した翌日からネームホルダーに写真を入れて首から下げ、毎日の散歩のお供にしています。昨日は、毎年この頃に咲く隣の団地の「ザクロ」(柘榴)の木の前を通りました。トップ画像の朱色の花がそれです。今年も秋の柘榴の豊作を予感させるようにたくさん花をつけていました。
 
「紅一点」とは、このザクロの花のことだと言われます。中国の詩の中に、
「万緑叢中紅一点 
 動人春色不須多」
「万緑(ばんりょく)叢中(そうちゅう)紅一点(こういってん)
 人を動かす春色(しゅんしょく)多きを須(もち)いず」
(見渡す限り緑のくさむらの中にただ一輪紅色の花が艶やかに咲いている。
 人の心を動かす春の景色は、多くのものを必要としないのだ。)
とあるのに拠ったといいます。えっ?これのどこが、ザクロなのでしょう?

その作者には異論もあるそうですが、中国の政治家・思想家・文人であった王安石(1021年~1086年)だとされています。その詩の題名が「詠柘榴詩」(柘榴を詠む詩)です。これによって「紅一点」の花が「柘榴」だったとわかるのです。
 
隣の団地の柘榴の木は、5m近くも伸びており、濃い緑色の葉の中に、いくつもの朱色の花を浮かばせていましたが、この詩は、「ただ一点の赤い花が美しく際立っているさま」をとらえています。たくさんの平凡な物がある中で、優れたものの一つとして譬えられ、優美な女性、才媛を意味するものとして使われるようになりました。
 
王安石の生きた時代は、日本では平安時代の中頃にあたり、清少納言や紫式部より半世紀ほど後の人物のようです。「紅一点」の言葉は、1000年近い歴史を有していました。


その「柘榴」の花言葉の一つに「円熟した優雅さ」というのがありました。我がチョコは15歳でしたが、人間年齢なら75歳前後で没したことになります。贔屓の引き倒しと言われればそれまでですが、私から見れば円熟味も優雅さもあった愛すべき犬です。昨日は、その冥福をひたすら祈りました。チョコちゃんやーい!