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No.1124 見なおし見つめなおす

そんなことを考えた理由は、先週金曜日の「ブギウギ」(16週「ワテはワテだす」)の番組後に、17週目「ほんまに離れとうない」の予告シーンの中にありました。
 
その時、「ブギウギ」の主人公・鈴子の恋人・愛助の母親で村山興行社長の村山トミ(小雪)のこんな言葉がありました。
「家族は同じ方向を向いて頑張らねばならんのや。」
印象的なこの言葉を聞いて急に思い出したのは、大学時代の恩師の言葉でした。
 
ちょうど40年前の1984年(昭和59年)3月下旬に私たち夫婦は結婚しました。身の丈に合った30人ほどのささやかな結婚式でした。その時に、大学の恩師がこんなスピーチをしてくださいました。
 
「私たちは、爪先立つと不安定になります(そう言って恩師は革靴のまま爪先立ちになりました)。しかし、これは『妻が先に立つ』、つまり『出過ぎ』ると、このようによろけて、バランスがとれなくなります。 
 又、逆に、今度はカカト(踵)のまま立っていようとしても、これまた不安定になります。これは『カカ(内儀)があト(後)』つまり『後れる』のも宜しくないという身体からの教えではないでしょうか。
 『妻は出過ぎず、さりとて遅れず』、夫婦相和し、単に向き合うだけでなく共に同じ方向を見、足並みをそろえて生きて行って欲しいと思います。」
 私にとっては、今もちゃんと覚えているほど感動的なお話でした。

その最後の言葉が、フランスの作家サン・テグジュペリの名言だったことを知ったのは、それから随分経ってからのことで、しかもネットによる親切さんからの情報ででした。
「経験が私たちに教えてくれたこと。それは、愛するとは我々が互いを見ることではなく、共に同じ方向を見つめることなのである。」(サン・テグジュペリ『人間の土地』より)

さて、インターネット関連サービスが始まったのは20世紀終わりの頃です。
「Yahoo!」は、1994年1月設立。「Google」は、1998年9月の設立でした。虚実ない交ぜが見られるネット情報ですが、知りたいことや調べたいことの恩恵は計り知れません。noteも魅力あるその一つでしょう。
 
しかし、恩師のスピーチは、ネットによる情報があまねく世界を駆け巡るよりも前の事でした。自らが読んで学んで気づいて使って下さった愛と誠にあつい言葉だったと思います。
 
偶然に見た先日のテレビドラマの予告ワンシーンに触発されて、恩師のスピーチを改めて思い出した次第ですが、結婚40年目を機に、振り出しに戻って夫婦生活を見直し見つめ直せということなのかなと思いました。

そして、「ブギウギ」がどんな波乱の展開になってゆくのか、目が離せないなとも思いました。


※画像は、かちこ🌻イラストレーターさんの、タイトル「朝のブギウギハッピー」の1葉をかたじけなくしました。主人公の「西のお言葉」に元気が出ます。お礼を申し上げます。