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No.403 ♪あれは3年前~

 新年早々、載せるか否か、迷った末の話。
 心も改まった年明け、ニュービーズの香りの効いた洗い立ての着物に着替え、スーパーに出た。黒のコーデュロイのズボンを履き、ユニクロ特製の黒いライトダウン(中国製)を颯爽と着込んでのお出ましである。
 黒ずくめで決めたのは、何色にも染まらぬ我が人生哲学を色で誇示しようとしての企みではない。帰宅後に行く黒色の三種混合犬チョコちゃんとの散歩のトータルファッション(お揃い)を考えたからである。年齢を重ねると、そんなことにまで頭がまわるほど潤沢に時間がある。寒い日の、うっすら日和に少しでも光を集めたい黒色でもあるが…。
 さて、買い物もほぼ済んだ頃、ヤボ用の為にトイレに入った。ズボンのファスナーを下げようとしたら、手応えがない。 ????
既にファスナーは一番下まで下がっていた。あらま?一体いつから?家を出た時から?
「あけまして めでたき社会の 窓なりや」
「明けまして」は「開けまして」の揶揄だが「めでたい」の上に「お」の付くお話である。ものがものだけに、「チン事」としておく。

 3年前に書いた正月のコラムを読み、思わず笑ってしまいました。我ながらアホやのう!だが、しかし、でも、ところが、それなのに、ぜーんぜん笑えなくなってしまったのであります。

 このところ、夜中に何度か目が覚めてトイレに行く、昼間もついさっき行ったのに、またトイレに駆け込む、チョコとの散歩の前には必ずトイレを済ましてから家を出る等々、涙ぐましい頻尿との闘いの日々となりました。「日々是好日」どころか「日々是嫌日」であります。

 そればかりか、ちょっと力んだだけで思わず「失禁」しそうになる始末。「失神」でないからいいようなものの、変なところで嬌声(アッハン!)でも出そうものなら「危ない人」の烙印を押されてしまいそうです。

 ある日のお茶の間のTV番組の話題に頻尿が取り上げられたので、かぶりつきで観ました。解説をした医師からの助言に、
 「膀胱に尿が溜まるのには、少なくとも2時間以上はかかります。尿意があったとしても我慢することも大切です。」
とのたまいました。私は、思わずその医師を二度見しました。言うは易く、行うは難し!我が脳みそ君が、「それ、トイレに直行せよ!」と焦らせ煽るのに、無視するなんて、我慢するなんて、やえーこっちゃありません。互いの信頼関係(?)にヒビが入ります。
「やってみた してみて分かった ムズかった」
まさに、そんな心境です。こんな時、水道の蛇口が前面に付いていたら、栓を閉められるのにと思うのですが、いかんせん、パッキンが劣化しているのでしょうねえ。
 かっこ悪い話ですが、モノが物だけに「これもチン事」としておきます。