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No.773 やってみた してみてわかった むずかった!

人は、どれくらい徹夜が可能なものなのでしょうか?
 
WACOAL「すやすや部」の情報で、
「不眠状態を続けた世界記録として認められているのは、1964 年にアメリカの男子高校生による264 時間12 分(11 日と12 分)。実験には最初2 人の友人がつきそい、最後の90 時間はスタンフォード大学の睡眠学者が立ち会って行われました。
 このときは、実験開始から3 日で記憶力が大幅に低下し、4 ~ 5 日目には極度のいらいら状態に。人に対して疑い深くなり、白日夢をみたり記憶障害が現れたり、簡単な計算をすることもできなくなりました。
 脳が正常に機能するためには、睡眠がとても大切だということがわかります。
 ここで興味深いのは、彼はこんな状態になってもわずか半日の睡眠で正常を取り戻し、その後に何の障害も残さなかったということです。眠りの質は必ずしも量だけで測れるものではなく、深く眠れば不足した睡眠を補うことができるというわけです。」
という大変興味深いお話を紹介してくださっています。
 
私は、今から54年前の15歳の時に、徹夜に挑戦したことがあります。高校入試、そして発表と、慌ただしく重苦しい時を過ごしました。何とか合格し、高校生になるまでの春休みの間、何か一つ心に残ることをやってみたいと思い立ったのは「何日徹夜できるか?」の挑戦でした。1969年(昭和44年)3月のことです。
 
丸1日目は何事もなく余裕でしたが、さすがに2日目の夜は、何度も睡魔に襲われました。コーヒーのお世話になりっぱなしです。頭はぼーっとするし、目の周りは火照った感じがします。平手でほっぺたをバチンバチン叩いたり、いきなり大声で叫んでみたり、部屋中を歩いたり、体操をしてみたりと、一人であの手この手で眠気と戦いました。
 
トイレに立つとフラフラ揺れるようで、つかまり立ちしながら用を足しました。なにか食べれば、一層眠気が襲ってきます。こんな時の時間は魔法でもかけられたように全然進んでくれません。長い、長~い、本当に「長い夜」(千春~♪)でした。水ばかりガブ飲みして2日目も何とかクリアして3日目の昼に、遂にダウンしました。そして、そのまま2日間寝込んでしまいました。
 
実験などで集中する研究者や、何日も目が離せず窯炊きをする芸術家、あるいは夜っぴて家族を介抱し看病するご家族など、徹夜を強いられる方々は、一層強い気持ちで臨まれるのでしょう。希望をもっておられるからこそ、弱音を吐かずに時を睨めつけることもできるのでしょう。
 
この経験を通して、私は、テレビドラマのワンシーンを思い出しました。警察の取り調べ室で、犯人を眠らせないように話し続けられたり、デスクライトを浴びせられたりしたら、ひとたまりもなく告白してしまうのだろうなあと自己分析しました。(今は、そんな取り調べはないのでしょうが…。)

眠る事は食べることと同じくらい大切な事を、身に染みて感じました。
 「やってみた してみてわかった むずかった!」

「山眠る如く机にもたれけり」
高浜虚子(1874年~1959年)


※画像は、クリエイター・kakinekoninjaさんの、タイトル「眠猫と山とお日様」をかたじけなくしました。堂々たる山に子守されて安眠する猫のようです。お礼申します。