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No.1006 教え育て共に成長する職業

「crisis」(クライシス)とは「危機、難局」の意味で、何らかの手を打たなければ破局に至るような、極めて不安定な状態を言うそうです。
 
昨日の中野しおりさんのコラム「170 非正規教員を体験して感じたこと」の中で、『教員不足クライシス~非正規教員のリアルから迫る教育の危機』(旬報社)の本が紹介されていました。

旬報社の「教員不足クライシス」の商品説明によると、

全国の公立学校で2000人以上の先生が不足 
公立小中学校教員の約6人に1人が非正規 
日本の教育現場、その驚くべき実態!

先生不足はなぜ起きているのか?その大きな原因であり、教育現場が長年〝見ないふり〟をしてきた非正規教員問題の実態をはじめてあきらかに!「安上がり」な手段としてすすむ教職員の非正規化によって、いま、日本の教育に穴があこうとしている!

という驚きの言葉が並んでいました。

確かに、教員不足が懸念されている昨今です。新たに教員を探すのは難しいのではないかと思っておりましたが、2学期に入り、新たに加わった英語科の非常勤講師は、還暦や古希を過ぎた、往年のOG・OB教員の方々でした。
 
大分県内の教員採用試験の受験者数は20年前の2003年度は2,229人(倍率18倍)だったのが、2022年度は1,195人(倍率2,6倍)と、ここ20年で受験者数が約半数に減っていそうです。「教育クライシス」とは、「教育暗い指数」の謂いでもあるようです。

将来の国をしょって立つ若者を育てるという夢と希望ある職業の一つが教育者でしょう。しかし、教育者離れが進み、教員採用試験への受験者が激減していると言う現実は、今日の教育環境の厳しさ、魅力の乏しさを露呈しているようでもあります。子どもを育てるのは、教員だけではないはずなのに過重負担を強いられがちです。教え育て共に成長するという夢のある職業が、暗い指数を示すようになったのは、なぜなのでしょう?


※画像は、クリエイター・教育専門家 / 田中大一 / タナカタイチさんの、タイトル「インド訪問記-下-」をかたじけなくしました。教育の原点がここにはあります。お礼申し上げます。